2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎内カルシウム輸送体と同センサー発現の成熟過程に関する発生学的解析
Project/Area Number |
15390263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00221250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 一宇 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004927)
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)
松原 光伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30282073)
内田 信一 東京医科歯科大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50262184)
藤原 幾磨 東北大学, 病院・講師 (10271909)
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Keywords | 尿濃縮機構 / イオン輸送体 / カルシウム代謝 / 尿細管機能異常症 / 微小灌流法 / 顕微蛍光測光法 |
Research Abstract |
1.レーザーキャプチャーによる微小単離細胞でのmRNA測定法によるcDNAの作製は、残念ながら単離技術的な問題点のために成功確立が低いことが明らかとなってきたため、方法論を修正した。本研究に代え、腎尿細管組織切片を固定し、Caセンサーのポリクローナル抗体を用いた研究手法により、直接的にCaセンサーの分布を詳細する研究に切り替え、とりわけ腎髄質部におけるCaセンサーの分布を、出生後のマウスの日齢との関係において考察した。その結果、太いヘンレの上行脚におけるCaセンサーの発現をはじめ、腎髄質部での発現が日齢とともに出現・増強することが明らかとなった。 2.次に、近位尿細管における管腔内Caセンサーの機能を検討した。微小単離灌流近位尿細管において、蛍光色素Fura-IIによる細胞内Caを測定し、Caセンサー促進薬のNeomycinを管腔内に投与したが、細胞内に強いCa活性の変化を認めず、この部位において細胞内Caの調節が主にCaセンサーで行われているわけではないことが示唆された。新生児期マウスでは、細胞内Caの変化は見られなかった。 3.ヘンレの太い上行脚でも同様に細胞内Caを測定するとともに細胞内pHもBCECFを用いて測定した。血液側に投与した高CaないしNeomycinは細胞内pHを強く低下させ、それらの効果は、出生直後のマウスでは観察されず、生後7日目以降に出現した。細胞内pHの低下は、管腔側に投与されたブメタニドやアミロライドでは抑制されず、Caセンサーの細胞内酸性化作用機序が管腔側のNa/K/2Cl共輸送体やNa/H交換輸送体に依存しないことが示唆された。
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