2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390283
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 雅裕 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (50343083)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン / 膵β細胞 / 再生医学 / 再生医療 / 分化誘導因子 |
Research Abstract |
二型糖尿病に対する再生医療を確立するためには、膵前駆細胞を効率よく再生分化させ、高次機能をもつ膵β細胞を数多く得るような方法を確立する必要がある。われわれはこれまで膵β細胞の分化誘導を促進させる分化誘導因子としてアクチビンAおよびベータセルリン(BTC)という2つの因子を同定してきた。これらの因子はこれまでの研究により培養膵前駆細胞の分化を誘導させることが明らかになっているが、そのin vivoにおける効果についてはいまだ知見は少ない。そこでわれわれは二型糖尿病のモデル動物である、新生期ストレプトゾトシン投与ラットを用い、分化誘導因子アクチビンAおよびBTC投与の効果について検討を行った。生後1日齢のラットにストレプトゾトシンを投与した。その日より、アクチビンA(A)、BTC、A+BTCを7日間投与し、血糖値、血中インスリン値の推移を測定するとともに、膵インスリン含量、膵β細胞量を測定した。また二ヶ月後に糖負荷試験を行って糖尿病状態を検討した。ストレプトゾトシン投与後、血糖値は400mg/dl以上に増加したが、その後徐々に低下し、2ヶ月後には正常に比して軽度増加していた。A, BTC, A+B投与群ではコントロールに比して血糖値が有意に低下してた。その効果はA+B群で著明であった。また血漿インスリン値もA+B群で有意に増加していた。また膵インスリン含量および膵β細胞量もコントロールに比して有意の上昇を認めた。また生後2ヶ月齢に糖負荷試験を行ったところ、A+B群では正常群に近い成績であった。ただし血漿インスリンの反応は遅延してた。以上の結果から、アクチビンAとベータセルリンの投与がこのモデルの糖尿病発症予防に有効であることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Li L, Seno M, Yamada H, Kojima I: "Betacellulin improves glucose metabolism by promoting conversion of intraislet precursor cells in STZ-treated mice."Am J Physiol. 258. E577-E583 (2003)
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[Publications] Li L, Zhaohog Y, Seno M, Kojima I: "Activir A and betacellulin i effect on regeneration of panirectic β cells in neonatal STZ-treated rats."Diabetes. 53. 608-615 (2004)