2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規実験システムを用いたβ3インテグリン機能調節分子の同定
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15390299
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324762)
白鹿 正通 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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Keywords | インテグリン / CMK / inside-outシグナル / 機能部位 / PKC / WAVE |
Research Abstract |
β3インテグリン(αIIbβ3およびαvβ3)は、止血栓および病的血栓形成や動脈硬化病変発症などにおいてその中核をなすため、その機能発現機構の解明およびその制御法の開発は臨床上極めて重要な課題であるといえる。本年度の研究では昨年度の成果を基盤として、いまだ不明であるβ3インテグリン活性化機構解明にむけて、血小板での弱点を克服するため遺伝子導入可能細胞を用いた実験系を用いてインテグリンの機能部位とシグナル伝達分子の解析を行った。 β3インテグリンの機能部位の解析としてalanine-scanning mutagenesisにてαyのβ-propellerドメインを解析し、β-propellerドメイン内の機能部位(Tyr178およびAsp218)を同定した。またAla215Tyr αvによりインテグリン機能が亢進することを見出した。 一方、前年度に確立した巨核球系細胞株CMKを用いたαIIbβ3活性化の実験系を用いて、differential display法およびcDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現変化を検討した。CMKの分化に伴い306遺伝子の発現亢進がみられた。興味深い分子として、β1-tublinやCKIP-1、cortactin、PKCδ、PKCβ1、WAVE-1、Rab27Bなどの分子が増加することを同定した。さらにbryostatin-1を用いてPKC発現とαIIbβ3活性化の関連を解析した結果、PKCアイソザイムの中でPKCαおよびPKCβが重要であった。WAVEに関しては、血小板においてWAVE-1,2の発現は見られたがWAVE-3は検出されなかった。また臍帯血を用いた巨核球分化の系でWAVE-1は分化に従いその発現が増加するが、WAVE-2の発現は変化しないこと、WAVE-1および2は血小板のlamelipodiaの辺縁に局在することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)