2003 Fiscal Year Annual Research Report
同種造血幹細胞移植における移植片対腫瘍効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15390309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
森島 泰雄 愛知県がんセンター, 腫瘍免疫学部, 研究員 (20220056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田地 浩史 愛知県がんセンター, 腫瘍免疫学部, 研究員
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Keywords | 造血幹細胞移植 / HLA-C / GVHD |
Research Abstract |
今年度は、非血縁者間造血幹細胞移植において、HLA-Cの不適合が移植免疫反応に関連し、生存に影響しているかを明らかにすることを目的として、HLA-A,B,C,DR,DQのDNAタイピングがされたドナーと非血縁者間骨髄患者でGVHD予防法としてシクロスポリン+メトトレキセート:C+M法が実施された1471症例につき、その重症GVHDならびに生存への影響につき解析した。さちに、NK細胞受容体であるkiller cell Ig-like receptor (KIR)のligand不適合をHLA-C型から推測し、その影響につき検討した。その結果、非血縁移植におけるHLAのバリアーがより明確になった。とくにHLA-Cの不適合が移植免疫反応と生存に大きく関与していた。従来、HLA-C単独不適合は急性GVHDの発症を高めるものの、生存には有意には関与しないという結果が出ていたが、今年度NK細胞受容体(KIR)のligand適合度をHLA-C型より推測することにより、GVHD方向KIR不適合が重症GVHDを生じさせ、生存を悪化させることが明らかになった。一方、KIR適合HLA-C単独不適合はGVHDや生存に関与せず、許容できる不適合であることも明らかになった。以上の結果から、HLA適合性に基づき移植成績を予測することが可能であり、ドナースクリーニング検査としてHLA-Cを導入することにより、移植成績が向上するであろうことが明らかになった。
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