2005 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症原因遺伝子の特定と治療戦略のための共通分子機構の同定
Project/Area Number |
15390326
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Research Institution | JICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桃井 真里子 自治医科大学, 医学部, 教授 (90166348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00239857)
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10337347)
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Keywords | 自閉症 / 自閉症障害 / 7q31-34 / WNT2 / WNT16 |
Research Abstract |
自閉性障害の分子病態解明を目的として、自閉性障害候補遺伝子解析と、遺伝子発現解析を行った。 候補遺伝子解析としては、WNT16のエクソン内に、ミスセンス変異を伴う塩基置換がheteroに同定された。日本人正常例には、検出されず、自閉症に関連する塩基置換であると推定された。WNT16は、WNT2と同様、染色体7q31-34に局在し、自閉症疾患関連の染色体座位の最も有意な部位である。WNT16の神経系での局在、作用、を明らかにするために、ノックアウトマウスを作成し、ヘテロが産生できた。研究年度が終了するが、行動解析が進行している。 WNT16変異を有する罹患者家系では、制限酵素BstNI処理で母親にも同様の置換が同定された。母親は対人関係、言語機能に関して正常であった。GRM8、GRPR,HTR5a。については、約100検体では有意な変異は同定されなかった。染色体7q31-34の網羅的候補遺伝子解析では、GPR85に正常集団にはないSNPが同定され、関連変異が推定された。家系内では、軽度の社会性能力に問題がある父親に同様の塩基置換が同定された。これまでの自閉症候補遺伝子解析の結果からは、関連変異の同定がある場合は、自閉症集団100-200に1例の割合であり、かつ、家系内の表現型は幅が広い。候補遺伝子変異は、単独で自閉症形成をしているよりも、関連遺伝子の関連SNPの集合が発症、または表現型に関連すると考えられる。これらの変異検出率から、候補遺伝子解析を継続すると同時に、遺伝子発現解析を進めた。罹患者リンパ芽球における遺伝子発現array解析を行った。結果はノックアウトマウスにおける末梢血球細胞、脳における遺伝子発現プロファイルと比較検討して報告予定である。
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Research Products
(3 results)