2005 Fiscal Year Annual Research Report
交差耐性を利用した全く新しい手術後の残存腫瘍増殖のコントロール法の研究
Project/Area Number |
15390372
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
比企 直樹 (財)癌研究会, 癌研究所, 研究員 (30313026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑尾 史彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30401079)
小川 利久 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80224111)
上西 紀夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30126031)
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Keywords | 外科侵襲 / サイトカイン / 腫瘍増殖 / 腸管Manipulation |
Research Abstract |
1.マウスの腫瘍モデル:腫瘍増殖モデルの安定が本研究にとって肝要な課題であった。フットパッドモデルでは安定した結果が得られず、再度腫瘍細胞濃度などを調整して背部皮下注射によりmelanoma細胞を生着させるモデルを構築することに成功した。 2.手術侵襲モデル:様々な外科侵襲を想定して、モデルを作成し、これらを評価のうえ、侵襲として利用した。manipulationモデル、胃切開モデル、肝切除モデル、回盲部穿孔モデルを用いて手術侵襲による腫瘍増大を観察したところ、manipulaticmモデル、胃切開モデルによって経時的に増大することが観察された。また、manipulationモデル、胃切開モデルにおいて術後サイトカイン(IL-6)値がshamより上昇することも確認した。 3.Endotoxin Tolerance (ET)モデル:ETに適したLPSの前投与量、投与間隔を予備試験により設定した。 4.本試験:[方法]mouse(雄性C57BL/6J 9〜10w)にLPSまたは生食を24時間毎に2回、腹腔内投与する。2回目投与の48時間後にmouseの背部にmelanoma細胞を接種し、手術(A : Sham(単開腹),B:胃切開縫合C : LPS前投与+胃切開縫合D : manipulation E : LPS前投与+manipulation各群N=10)を施行した。術後60日間にわたって腫瘍サイズを測定する。[結果]B群と比較してC群において有意に腫瘍増大が抑制される傾向がみられた。D群と比較してE群において腫瘍増大が抑制される傾向がみられた。(有意差なし)またLPSの前投与により術後IL-6の上昇を抑制することも確認した。[結論]ETは手術侵襲を軽減することで腫瘍増大を抑制しうることが示唆された。
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Research Products
(1 results)