2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型バイオマテリアルを用いた新しい血管外科支援システムの基礎研究
Project/Area Number |
15390373
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (10241994)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
小見山 高士 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10292947)
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70190791)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
|
Keywords | 酸性ゼラチンハイドロゲル / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 血管新生療法 / 高分子ミセル型ナノ・パーティクル |
Research Abstract |
1.次世代型バイオマテリアルを用いた新しい治療的血管新生療法 研究計画では、次世代バイオマテリアルとして、酸性ゼラチンハイドロゲルマイクロスフィアー(AGHM)と高分子ミセル型ナノ・パーティクル(NP)の二つの使用を予定していた。前者のAGHMでは、このマテリアルにbFGFタンパクを含ませたものを、ウサギ虚血肢モデルにおいて動脈内投与した所、極めて良好な虚血状態に対する治療効果をえることができた。この効果は、同量のbFGF含有AGHMを治療対象となる虚血肢にたいして筋肉注射で投与した結果と比べても有意に優れていることが明らかになった。そのためこの研究成果を論文投稿すると同時に、臨床試験を施行すべく現在さらなる基礎データを収集中である。一方、後者のNPにおいては、シグナル配列付bFGF遺伝子を発現プラスミドベクターに組み込んだものを入れて筋肉注射し、遺伝子導入効率を検討した。しかし、ウサギ虚血肢モデルの虚血肢及び、心臓において検討したが、対照として用いたプラスミドベクターのみによる遺伝子導入と比較しても明らかに優れた遺伝子導入を得ることはできなかった。現在、既存のNPの表面にリガンドを付加することにより効率を改善できないか研究中である。 2.次世代型バイオマテリアルを用いた内膜肥厚抑制療法 NPによる血管壁細胞への遺伝子導入法の確立を目標として、マーカー遺伝子(LacZ遺伝子とルシフェラーゼ遺伝子)を用いて、NPによるウサギ血管壁への遺伝子導入効率を検討した。ウサギ頚動脈にバルーン障害により内膜肥厚巣を誘導し血流遮断の後、同部にマーカー遺伝子含有NPを充填し20分間のインキュベーションの後血流を再開させた。この操作の2-7日後に、標本を採取し遺伝子導入の程度を評価したが、いずれも対照と比較して有意な遺伝子導入効率の上昇は認められなかった。これに関しても、上記同様NP表面にリガンドを付加して再度評価する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kondou K, Koyama H et al.: "Conduction Performance of Collateral Vessels Induced by Vascular Endothelial Growth Factor or Basic Fibroblast Growth Factor"Cardiovascular Research. 61. 132-142 (2004)
-
[Publications] Ishii S, Koyama H et al.: "Appropriate control of ex vivo gene therapy delivering basic fibroblast growth factor promotes successful and safe development of collateral vessels"Journal of Vascular Surgery. 39. 629-638 (2004)
-
[Publications] Nishikage S, Koyama H et al.: "In vivo electroporation enhances plasmid-based gene transfer of basic fibroblast growth factor for the treatment of ischemic limb"Journal of Surgical Research. (In press). (2004)