2005 Fiscal Year Annual Research Report
MHC純系ミニブタを用いた胸腺移植併用臓器移植による免疫寛容誘導に関する研究
Project/Area Number |
15390387
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Research Institution | National Cardiovascular Center, Research Institute |
Principal Investigator |
佐田 正晴 国立循環器病センター(研究所), 再生医療部, 室長 (20162399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤里 俊哉 国立循環器病センター(研究所), 再生医療部, 室長 (60270732)
高原 史郎 大阪大学, 大学院・医学系研究科・先端移植基盤医療学, 教授 (70179547)
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Keywords | miniature swine / SLA遺伝子 / 心移植 / 免疫寛容 / 胸腺移植 |
Research Abstract |
本邦で入手可能な実験用ミニブタは3系統が知られている。そのうち繁殖数の最も多いクラウンミニブタのMHCであるSLA遺伝子多型の同定を行ってきた。SLA遺伝子多型解析にはクラウンミニブタから高分子DNAおよびRNAを抽出し全RNAからRT-PCRにてSLA class I遺伝子(SLA1,SLA2,SLA3)の塩基配列を決定した。その配列をもとにSLA-1遺伝子タイピング用にエクソン2、SLA-2,-3遺伝子タイピング用にエクソン2、3のプライマーペアーを設定しPCR-SSP法によるアリルタイピングを施行した。SLA class IIについてはエクソン2内の塩基配列を決定しPCR-SSPおよびPCR-RELP法により多型性の解析を行った。SLA class I, IIの5種類の遺伝子座解析から11種類の多型が見いだされ、少なくとも2種類のハプロタイプを有する純系系統が確認された。この結果を基に選択的交配を行いハプロタイプホモ接合体ミニブタ22系統、ヘテロ接合体ミニブタ19系統の樹立に成功した。この解析を基に他の2系統のミニブタ、NIBSおよびCSKミニブタの遺伝子解析を行い80-90%の遺伝的相同性を確認した。免疫寛容導入のメカニズムの解明を目的に胸腺内腎組織移入および移植後の血中細胞の動向を解析し、(1)自己腎組織を胸腺に移植後、腎組織が胸腺間質中に2週間以上存在、(2)シクロスポリン投与心移植モデルにおいて移植後、末梢血中の血管内皮前駆細胞および血管平滑筋前駆細胞の推移が移植生着に関与、を明らかにした。免疫寛容誘導の可能性を確かめるため、予め自己胸腺を摘出したミニブタレシピエントに対しMHC完全不適合ミニブタドナーを用い、心移植、胸腺移植+心移植、胸腺細胞移入+心移植を施行した。移植後12日間および28日間タクロリムスを投与後、免疫抑制剤を切った系において心移植のみ行った群と比較し胸腺移植+心移植群では拒絶反応も認められず長期の生着を認め、胸腺移植による免疫寛容誘導の可能性が強く示唆された。
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Research Products
(5 results)