2004 Fiscal Year Annual Research Report
劇症肝炎抵抗性モデル動物を用いた肝発癌と肝細胞死の分子標的の探索
Project/Area Number |
15390393
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上里 忠良 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40115465)
田中 正光 国立がんセンター研究所, 室長 (20291396)
|
Keywords | 化学発癌 / 肝細胞癌 / 結節 / トランスジェニックマウス / Rb蛋白 / ジエチルニトロサミン / フェノルバルビタール |
Research Abstract |
全身に発現するのではなく、化学発癌系の利用できる肝臓にRb遺伝子を発現するために主に肝臓で発現しているHepatocyte Nuclear Factor-1(HNF-1)遺伝子プロモーターの支配下にヒトRb遺伝子を連結して、トランスジェニックマウスを作製し、2系統のトランスジェニックマウスを得た。A系統のマウスはトランスジーンを1倍体当たり11コピーもち、B系統のマウスは1倍体当たりトランスジーンを4コピーもっていた。A系統、B系統のマウス肝臓および野生型マウス肝臓より肝臓抽出液を調製し、SDS-アクリルアミドゲル電気泳動で蛋白を分離した後、各種抗体を用いてウエスタンブロット法にて、関連蛋白質の変化を検討した。アポトーシス蛋白であるカスペース1,カスペース3,や増殖関連蛋白p53,E2F1,E2F2,E2F3,E2F4,E2F5などに変化がなかった。アポトーシスに関わるBc12,Bc1-XL,Bc1-XS,Bad,Bidにも変化がなかったが、アポトーシス促進に働くBax蛋白がトランスジェニックマウス肝臓では野生型マウス肝臓に比して、著名に減少していることとが判明した。このことは、Rbトランスジェニックマウスでは、アポトーシス促進作用のあるBaxが著減しているため、全体として抗アポトーシス状態を呈していることが明らかになった。 一方、化学発癌に対する抵抗性を担う分子については、種々の癌遺伝子や癌抑制遺伝子について検索したが、有意な変化を示す遺伝子は発見できなかった。しかし、Rbトランスジェニックマウス肝臓の免疫組織染色により、血管内皮細胞に新しい蛋白が発現しているデータを得た。今後の計画としては、A系統マウス肝臓からのRNAと野生型マウス月刊蔵からのRNAを用いて、マウス遺伝子3万個をのせてあるDNAマイクロアレイにより標的分子を網羅的に探索する予定にしている。
|