2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山下 俊英 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10301269)
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Keywords | 再生 / 神経 / 軸索 / グリア / 細胞 / 蛋白 |
Research Abstract |
軸索誘導のfine tuningのメカニズムの解明のために、小脳の神経細胞をin vitroで培養し、ニューロトロフィンで刺激し、この時に発現変化をみせる遺伝子をDNAマイクロアレイを用いてスクリーニングした。その結果100を超える遺伝子が発現上昇をしていた。遺伝子を機能によって分類し、発現パターンについての既知の報告を参考資料にし、Fine tuningの鍵を握ると考えられる遺伝子の候補を絞り込んでいった。その結果、10の有力候補遺伝子について、その後の解析を進めることに決定した。さらに軸索の伸展をin vitroで評価するシステムとして、培養皿に再生阻害因子をストライプ状に配置させる手法を開発した。この方法により、軸索誘導蛋白に対する成長円錐の反応を経時的に追跡することが可能になる。有力候補遺伝子を神経細胞に過剰発現させ、MAG、Nogoなどの再生阻害蛋白に対する、神経細胞の反応が変化するかについて解析した。その結果、Rho GTPaseの活性を制御する蛋白が、軸索の反応性を有意に変化させることが明かになり、この蛋白の機能について、今後解析を進めていくことにした。また突起伸展のメカニズムの解明とその再生治療への応用というテーマに関しては、脊髄損傷後に損傷周囲組織に発現する遺伝子を網羅的に解析し、再生阻害に関わると考えられる候補であるGPIアンカー型蛋白を単離した。この蛋白は軸索の再生を著明に阻止し、既知の再生阻害蛋白よりも強力なものである可能性がある。現在この蛋白の機能解析を行っている。
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