2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍における細胞内システム異常の網羅的解析とその治療への応用
Project/Area Number |
15390439
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
田渕 和雄 佐賀大学, 医学部, 教授 (50116480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増岡 淳 佐賀大学, 医学部, 助手 (50359949)
峯田 寿裕 佐賀大学, 医学部, 助手 (20264187)
白石 哲也 佐賀大学, 医学部, 講師 (70206275)
志和 美重子 サオファージェン, バイオシステムズ横浜研究所, 主任研究員
北野 宏明 システム・バイオロジー研究機構, 会長
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Keywords | 脳腫瘍 / データベース / インターフェロン / トランスクリプトーム / システム生物学 / SELDI-TOF mass spectrometry |
Research Abstract |
佐賀大学医学部脳神経外科教室で過去に経験した900例の脳腫瘍症例のデータを日本脳腫瘍統計のデータフォーマットにしたがって入力し、データベースを作成した。 脳腫瘍培養細胞を用いた論文300編を中心に、処理による細胞の反応を、材料・物質・処理・変化の4つの項目を中心にデータベースを作成した。 脳腫瘍培養細胞にインターフェロンβを作用させ、細胞間における感受性の差を明らかにした。最も感受性の高かった細胞と、最も抵抗性を示した細胞を用いて、薬剤処理の前後でmRNAを抽出し、RT-PCR法にてcDNAを合成し、TAKARA IntelliChipを用いてトランスクリプトームの変化を検討した。その結果、感受性細胞ではアポトーシス関連サブシステムが、抵抗性株ではアミノ酸代謝関連サブシステムが更新していることが明らかとなった。現在細胞内サブシステムの詳細な変化をシステム生物学的情報解析技術を用いて解析中である。 グリオーマ培養上清およびグリオーマ患者髄液中に含まれる微量蛋白質をSAX-2やWCX-2などのイオン交換チップ、さらにCuとNiの金属イオンチップを用いたSELDI-TOF mass spectrometryにて検出した。その結果数種類のグリオーマに特異的な分泌蛋白質候補を捕捉できた。現在peptide mass fingerprinting法などでその蛋白質の同定を行っているところである。
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[Publications] 白石哲也: "脳腫瘍のシステムバイオロジー"蛋白質核酸酵素. 48. 795-801 (2003)
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[Publications] Shiraishi, T.: "Genetic alterations of human brain tumors as molecular prognostic factors"Neuropathology. 23. 95-108 (2003)
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[Publications] 白石哲也: "脳腫瘍の最新医療"先端医療技術研究所. 460 (2003)