2004 Fiscal Year Annual Research Report
成体脊髄に内在する神経前駆細胞を用いた再生誘導療法の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15390448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星地 亜都司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70236066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真一 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 運動機能系障害研究部, 主任研究官 (30282560)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経前駆細胞 / 遺伝子導入 / 転写因子 / ニューロン / オリゴデンドロサイト |
Research Abstract |
本年度は別のbHLH型転写因子であるMash1の成体神経前駆細胞の分化誘導に対する役割を検討した。初代培養系では、Mash1の強制発現によるニューロン分化促進効果は少ないが、オリゴデンドロサイト分化はより促進していた。よって、損傷脊髄内の前駆細胞に濃縮組換え型レトロウイルスを用いてMash1の導入を試みた。損傷7日目のウイルス感染細胞は、コントロールと比較してオリゴデンドロサイトの系譜に分化していた。損傷14日目には、約半数がオリゴデンドロサイト前駆細胞の表現型を示し、損傷28日目には、少数ながらもコントロールウイルスでは観察できなかった成熟オリゴデンドロサイトへの分化が確認できた。 Mash1は、胎生期脊髄におけるオリゴデンドロサイトの発生に重要な役割を果たすとされており、損傷成体脊髄内での成熟オリゴデンドロサイト分化をも誘導し得た。昨年のニューロン分化促進効果を持つNeurogenin2によるニューロン新生誘導と併せ、細胞レベルでの再生誘導は可能となった。
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