2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗原を用いた高悪性度軟部肉腫に対する免疫療法の樹立
Project/Area Number |
15390462
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
川口 哲 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80315499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
和田 卓郎 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (00244369)
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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Keywords | 軟部肉腫 / 免疫療法 / 抗原ペプチド / 骨肉腫 / 滑膜肉腫 / 臨床試験 |
Research Abstract |
(1)SYT-SSXペプチドを用いた滑膜肉腫に対する臨床試験 野生型SYT-SSXペプチド(SS393:GYDQIMPKK)を用いた試験は、滑膜肉腫患者6例をもって終了した。ペプチド0.1mg、1.0mgをそれぞれ3例に2週間隔で皮下注した。ペプチドの毒性、免疫学的効果、腫瘍縮小効果を評価した。1例にGrade 1(発熱)の毒性が生じた。他の5例では毒性はみられなかった。また、遅延型過敏反応は全例で陰性であった。テトラマー解析は5例において施行した。ペプチド/HLA-A24テトラマーと反応するT細胞の存在頻度は、5例中4例でワクチン接種前と接種後で増加がみられた。1例で肺転移巣の増大が抑制された。引き続いてアジュバント、サイトカイン、アグレトープ改変型SYT-SSXペプチドを用いる臨床試験を開始した。 (2)骨肉腫腫瘍抗原ペプチドの軟部肉腫に対する免疫原性の解析 新規骨肉腫抗原遺伝子Papillomavirus binding factor (PBF)を同定した。RT-PCR解析において、PBFは軟部肉腫細胞株12例中10例、および軟部肉腫組織64例中44例に発現を認めた。また、PBFに対する抗体を作成し、蛋白レベルでの発現を検索した。免疫組織染色を行い軟部肉腫組織51例中45例にPBFが発現していることを確認した。HLA-A2およびHLA-A24と結合するPBF由来ペプチドを作製し、HLAがマッチした軟部腫瘍肉腫患者抹消リンパ球との反応性をテトラマーを用いて解析している。
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Research Products
(10 results)