2003 Fiscal Year Annual Research Report
痛みレセプタに関連する各種鎮痛薬オピオイドペプチドの脊髄疼痛制御機構に及ぼす影響
Project/Area Number |
15390470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 一雄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80010403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 亨之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50302609)
関山 裕詩 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40301105)
田上 恵 東邦大学, 医学部佐倉病院, 教授 (90107657)
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Keywords | α2アドレナリン受容体作動薬 / クロニジン / 鎮痛効果 / 止痒効果 |
Research Abstract |
現在当グループではα2アドレナリン受容体作動薬の鎮痛・止痒効果に焦点を当てている、当センターでは同軟膏を調製し、帯状疱疹後神経痛等の神経因性疼痛患者の疼痛管理に用いてきた(既報)。しかしその軟膏製剤の鎮痛・止痒特性については十分検討されていない。 そこで今回、ラット神経因性疼痛モデル、炎症痛モデル、術後痛モデルにおいてクロニジン軟膏単回投与による抗痛覚過敏効果を行動科学的に検討した。クロニジン軟膏または基剤を患側足底に塗布後、Hargreaves boxにて熱刺激に対する逃避潜時及びvon Frey filamentにて機械的触刺激に対する逃避閾値を患側及び健側足底にて測定した。またα2アドレナリン受容体拮抗薬Yohimbine前処置による拮抗試験も行った。神経因性疼痛モデルにおいては用量依存性に逃避潜時延長および閾値上昇を認めた。Yohimbine前処置でその効果は拮抗された。炎症痛モデル、術後痛モデルでは抗痛覚過敏効果は認められなかった。神経因性疼痛モデルにおいて塩酸クロニジン軟膏により有意な抗痛覚過敏効果が認められた。 更にα2アドレナリン受容体作動薬の止痒効果についての知見は少ない。今回、マスト細胞脱顆粒物質をマウスに皮内投与し引っ掻き行動を誘発させたitch modelを作成し、クロニジン軟膏の止痒効果について検討した。クロニジン軟膏または基剤塗布1時間後のマウスに、起痒物質をマウス後背部に皮内投与し、デジタルビデオで60分間録画し、引っ掻く行動を解析した。またYohimbineを前処置しクロニジン軟膏の止痒効果に対する拮抗テストを施行した。更にクロニジン軟膏の中枢作用を検討するためにrunnlng wheel testを施行し自動能を検討した。クロニジンの中枢作用による自動能抑制によるものではない、α2アドレナリン受容体を介した止痒効果が認められた。
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