2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄後根神経節培養細胞を用いた麻酔薬、鎮痛薬の抗侵害作用機序解明
Project/Area Number |
15390479
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Research Institution | University of Occupational Environmental Health(UOEH) |
Principal Investigator |
重松 昭生 産業医科大学, 学長 (30037428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 浩一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (70279347)
上園 保仁 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教授 (20213340)
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 助手 (40369070)
白石 宗大 産業医科大学, 医学部, 助手 (40389458)
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Keywords | イオンチャネル / G蛋白共役型受容体 / 脊髄後根神経節 / アフリカツメガエル卵母細胞発現系 / 電位依存性Naチャネル / トラマドール / ステロイド系静脈麻酔薬アルファキサロン / 吸入麻酔薬 |
Research Abstract |
現在、疼痛発生のメカニズムは末梢、脊椎レベルでの機序が明らかとなり、種々のイオンチャネルやG蛋白共役型受容体が関与しているという報告がなされてきた。しかし、麻酔薬が脊椎レベルでこれらの受容体やイオンチャネルへの影響については結論が出ていない。一方、脊髄後根神経節(Dorsal Root Ganglia以降DRG)細胞は各種の痛覚伝達に関する神経伝達物質を多く含み侵害刺激の神経伝達において重要であり、麻酔薬の鎮痛機序の中ではなんらかの作用部位になっていると考えられるがその総合的な解析は進んでいない。今回の研究においては脊髄レベルでの麻酔薬の抗侵害作用を総合的な解析を行う目的でDRG細胞とアフリカツメガエル卵母細胞系を用いて以下の研究を行った。 1.アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて電位依存性Naチャネルに対する麻酔薬の影響を解析した結果、Na_v1.2、Na_v1.4サブタイプにはトラマドールと代謝物M1は抑制を示したが、ギャバペンチンは抑制しなかった。ステロイド系静脈麻酔薬アルファキサロンは抑制を示した。デクスメデトミジンは高濃度では抑制を示した。 2.培養DRG細胞におけるSub-P刺激による細胞内Ca^<2+>の変動に対する麻酔薬の影響を解析した結果、吸入麻酔薬ハロセンがSub-Pによる細胞内Ca^<2+>上昇を抑制した。(予備実験ではイソフルラン、エンフルランも抑制している) 3.アフリカツメガエル卵母細胞発現系では吸入麻酔薬のほとんどがSub-P受容体を抑制し、ケタミン、ペントバルビタールも抑制した。 現在は、麻酔薬がグルタミン酸受容体、CGRP受容体への影響を解析中であり、最終的にはSub-P受容体とCGRP受容体のノックアウトマウスを用いて行動薬理学的に検討する予定である。今回の研究は麻酔薬の脊椎レベルで作用機序を総合的に解析し、本研究の目的をほぼ達成し得たと考えられる。
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