2004 Fiscal Year Annual Research Report
中心体複製異常が膀胱癌の染色体不安定性と予後に与える影響の検討
Project/Area Number |
15390492
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松山 豪泰 山口大学, 医学部, 助教授 (70209667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 克輔 山口大学, 医学部, 教授 (60115251)
奥田 優 山口大学, 農学部, 助教授 (10325243)
佐々木 功典 山口大学, 医学部, 教授 (80116722)
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Keywords | 中心体複製異常 / 膀胱癌 / Aurora A / FISH / 腫瘍再発 / 腫瘍進展 |
Research Abstract |
ヒト膀胱癌臨床検体50例をもちいて1)中心体に対する免疫組織染色法(抗体:抗γチュブリン抗体、兔疫蛍光法)、2)Laser Scanning Cytometryによる総DNA量定量、3)7番、9番および17番染色体セントロメアプローブをもちいたFISHによる染色体不安定性の検討、4)Aurora A遺伝子近傍の20q13 ampliconをもちいたFISH法による同領域のコピー数検索、5)抗Aurora A抗体を用いたAurora Aタンパタの発現を検討し、その予後との比較をおこなった。 その結果中心体複製異常は30例(60%)、染色体不安定性は22例(44%)に認められた。中心体複製異常と染色体不安定性は有意の相関を認めたが染色体不安定性を認めない症例の32%に中心体複製異常を認めたのに対し、染色体不安定性を認めた症例の95%は中心体複製異常を認めた.このことより中心体複製異常が染色体不安定性に先行して発生し、染色体不安定性を誘導していることが推定され、中心体複製異常が染色体不安定性を予測する指標となりうることが示唆された。次に再発と関連を多変量解析を用いて検討したところ、種々の予後関連因子(中心体複製異常、染色体不安定性、尿細胞診検査、DNA量、腫瘍分化度など)のなかで中心体複製異常がもっともよく腫瘍再発を予測する因子であることが証明された。さらに進展との関連においても中心体複製異常を認めない症例は術後8年経過した後も全例進展を認めず、中心体複製異常を認めた症例は認めない症例より有意に進展までの期間が短いことが証明された。 これらの結果より中心体複製異常は再発、進展を予測する指標として有用であることが示峻された。
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Research Products
(4 results)