2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイを用いた泌尿器癌における癌・間質細胞間の制御機構の解明
Project/Area Number |
15390493
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西谷 真明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40304521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50325255)
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Keywords | 泌尿器科癌 / 間質細胞 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
癌細胞はその進展の際に間質細胞細胞を制御し、癌細胞自身にとって有利な環境を構築していることが知られているが、癌・間質細胞の相互作用やその制御機構は未だ十分に解明されていない。われわれはマイクロアレイ法を用いて癌・間質細胞の相互作用に関与する分子を包括的に検討した。 われわれは、間質から分泌される代表的な成長因子であり膀胱癌の浸潤能を増強することが報告されているHepatocyte growth factor(HGF)に注目し、HGFの膀胱癌細胞の浸潤におよぼす影響と、その浸潤を制御する分子をマイクロアレイ法によって検討した。HGFの刺激により膀胱癌細胞株5637、T24、J82、HT1376において、浸潤能が有意に増強し、マイクロアレイによる検討で発現の有意に異なる遺伝子が5つ同定され、RT-PCRによりMMP-3のみが有意に高発現を認めることが判った。膀胱癌患者の膀胱癌組織をreal-time PCRで検討したところ、浸潤性膀胱癌では表在性膀胱癌と比較して有意に腫瘍組織でのMMP-3の発現が高く(p=0.0054)、膀胱癌患者の血清HGF濃度と腫瘍組織でのMMP-3の発現に強い相関が認められた(相関係数0.714、p=0.0062)。以上より膀胱癌患者において、HGFによりMMP-3の発現が誘導され、発現が増強したMMP-3が癌の浸潤に強く関連している可能性が示唆された。さらに線維芽細胞(TIG-1)に膀胱癌細胞株(5637)および腎細胞癌株(ACHN)の培養上清を添加すると、間質からのHGFの分泌が増強し、マイクロアレイによる検討でgrowth differentiation factor 5、connective tissue growth factor、caveolin 1等の発現が有意に増強しており、これらの分子が癌の癌の進展に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)