2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌に対するDNA合成・分解酵素をターゲットとした分子診断・分子標的治療の開発
Project/Area Number |
15390496
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (10243031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (90240952)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Keywords | 腎癌 / DNA / DPD / TS / TK / OPRT / TP / PDECGF |
Research Abstract |
「目的」Thymidylate Synthase (TS)は核酸合成に重要な酵素であるが、泌尿器科癌におけるTS活性の重要性はほとんど検討されていない。そこで、腎癌におけるTS活性を測定し、Stage、Grade、予後との相関関係を検討した。また、TSは5-fluorouracil (5-FU)の標的分子であるので、腎癌のTS活性と5-FUとの感受性との関係も検討した。 「対象と方法」68人の腎癌患者より腎癌組織を採取し、TS活性をFdUMP Binding Assayにて測定した。 「結果」腎癌のTS活性は正常腎に比べ、約5倍高値であった。Stage III/IV腎癌のTS活性はStage I/II腎癌のTS活性の約3倍高値であった。また、腎癌のGradeが高いほどTS活性は有意に高値であった。高いTS活性を有する腎癌患者よりも低いTS活性を有する腎癌患者の根治的腎摘除術後の5年生存率は有意に高かった。腎癌のTS活性と5-FUに対する感受性との間には正の相関関係が認められた。 「考察」腎癌、特にStage、Gradeの高い腎癌においてTS活性が高く、TSは腎癌の分子標的になる可能性が示唆された。また、高いTS活性を有する腎癌に対して、TSを標的分子とする5-FUが有用であると考えられた。さらに、TS活性が腎癌患者の根治的腎摘除術後の予後マーカーになる可能性も示唆された。
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Research Products
(6 results)