2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスによる腎移植慢性拒絶反応に対する進行阻止の試み
Project/Area Number |
15390498
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
星長 清隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30229174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 良一 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70226330)
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40309141)
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Keywords | 脳死 / 虚血再灌流障害 / real time PCR / microarray |
Research Abstract |
移植腎の長期予後を左右する慢性拒絶反応の成因を解明するため、本年度は前年度の動物実験を基盤とし、臨床検体を用いた解析を進めた。臨床検体は献腎移植8例(CD群)、生体腎移植15例の移植後1時間生検に対し、マイクロアレイを用いて20,173遺伝子につき解析した。生体腎移植15例に関しては腎摘出方法が従来の方法を工夫した小切開法9例(LD群)と腹腔鏡による6例(LD-Lap群)があり、気腹操作に伴う移植後の腎障害の報告もあり、各群に分けて検討した。CD群とLD群の比較では、CD群で優位であり(CD/LD>1.5)かつ2倍以上に発現が亢進している遺伝子は178であった。具体的にはオステオポンチン、ケモカインならびにケモカインレセプター、接着因子そしてヒートショック蛋白などであった。また、動物実験の結果をもとに、臨床検体と共通して発現の亢進した遺伝子を選択し、この中から今後診断と治療に応用可能な遺伝子、特に分泌蛋白について検討を加えたところ、angiopoietin-like 4,tissue factor pathway inhibitor 2等が候補遺伝子となった。real time PCRではCD群、LD群で優位差が無く、候補遺伝子を再検討した。機能のはっきりとわかっていない1遺伝子を含む5遺伝子について着目し現在検討を進めている。この中で2遺伝子については既に移植後の血清ならびに尿を用いたELISA解析に移行し、CD群、LD-Lap群に分けて経時変化を検討したところ興味深い結果を得ている。特にこのうちの1遺伝子は献腎移植後のATN期間とその回復期における血清ならびに尿の解析結果が臨床経過と相関し、今後ATNの指標として極めて有用であると考えている。残る3遺伝子についても現在検討中である。今後の展望としては、臨床献体の蓄積とともに上記5遺伝子につき解析を続ける予定である。
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Research Products
(2 results)