2004 Fiscal Year Annual Research Report
造影剤+超音波によるNFκBデコイ-HGF遺伝子同時導入:移植腎長期生着の試み
Project/Area Number |
15390499
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
東 治人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40231914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝岡 洋治 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10051757)
高原 史郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70179547)
森下 龍一 大阪大学, 医学部, 教授 (40291439)
冨田 奈留也 大阪大学, 医学部, 助手 (70314432)
|
Keywords | NFkB / おとり型核酸医薬(デコイ) / Optison / Hepatocyte Growth Factor / 腎移植 |
Research Abstract |
1)NFkBは生体内の主な炎症性反応のKEYともいえる重要な因子であり、臓器移植術後の急性拒絶反応の発症に密接に関わっている移植患者におけるNFkBの活性化阻害は急性拒絶反応の発症防止、しいては移植腎長期生着に合目的的であるが、長期的な全身性のNFkB活性化阻害は、免疫低下による重症感染症や、悪性腫瘍の発症をきたし実際に臨床では使用困難である。 2)移植腎への遺伝子導入による局所的な免疫抑制が理想的な方法であるが、現在腎臓への遺伝子導入においては、確立した方法がないのが現状である 1、2)より我々は、"NFkB"に対するおとり型核酸医薬(デコイ)を作成し、これを造影剤に併用した超音波照射による新しい遺伝子導入法を用いて有効的に移植腎に局所的に導入することによって、ラット腎移植急性拒絶反応モデルにおいて有為な生着延長効果を認めることに成功した(Gene Ther.2003 Mar,10(5);415-25)。 さらに、これまでの実験において移植腎が永久生着しなかった原因として、Optisonおよび超音波照射による腎尿細管障害作用を考慮し、これを軽減させる対策として、腎尿細管障害作用を保護するHepatocyte Growth Factor(HGF)の遺伝子plasmidを作成し、これをNFκB decoyと同時にドナー腎に導入することによって急性拒絶反応の抑制とOptisonおよび超音波照射による組織障害作用や移植後の阻血再灌流障害の軽減を同時に図り、移植腎の永久生着を試みた。(HGFの腎尿細管障害抑制作用はすでに報告した、Azuma, et al. J Am Soc Nephrol ; Tanaka et, al. An J Transplant.)その結果、ラット腎移植性急性拒絶反応モデルにおいてHGFの遺伝子plasmidを同時に導入した群では、HGF plasmidを導入しなかった群に比較して有為な生着延長効果をみとめた。
|
Research Products
(2 results)