2003 Fiscal Year Annual Research Report
進行子宮頚癌に対する体外循環下活性炭吸着法併用・経皮的骨盤灌流高用量化学療法
Project/Area Number |
15390506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本山 覚 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80283878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱名 伸也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00335449)
丸尾 猛 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60135811)
具 英成 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40195615)
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Keywords | 子宮頚癌 / 高用量化学療法 / 抗癌剤毒性 / HPV / CDDP / 体外循環 / STD |
Research Abstract |
根治的治療が不能な進行子宮頚癌患者において通常の3倍量のプラチナ系抗癌剤を標的腫瘍に動脈投与して腫瘍縮小を図り、根治治療が遂行可能な病期にダウンステージングを行う。この際、発生する致死的抗癌剤毒性は体外循環内の活性炭吸着器により浄化するが、この高用量抗癌剤投与サポートシステムが経皮的骨盤灌流化学療法(PPPEC : percutaneous pelvic perfusion with extracorporeal chemofiltration)である。 本法では先ず、大腿静脈より挿入した3チャンネル・バルーンカテーテルで下大静脈を閉塞しつつ、別途、Seldinger法で上・下臀動脈を塞栓した後、左右子宮動脈より高用量CDDP:140-250mg/m^2と通常量のMMC, PEP,5-FUの投与を行う。 1995年より現在までに23名の進行子宮頚癌症例に対し、本法を2週間隔で計2回施行しており、腫瘍縮小率は76.4%、奏効率は87.0%であった。有害反応は体外循環回路に於ける失血からくる貧血、シスプラチン毒性による嘔吐、クレアチニン上昇等を認めたが、概ね軽微であった。本法後の主治療は子宮頚癌根治術または放射線治療を施行し、現在のところ、5年生存率は72.1%と放射線単独療法の32.7%に比し有意な改善を認めている。 これらの成果に関しては現在、Gynecologic Oncologyに投稿中である。 また、投与抗癌剤に関して高用量抗癌剤投与法の新しい在り方を計画中で、Imatinib(Gleevec)をCDDPのsensitizerとしたcombined regimenを検討で、そのための分子生物学的基礎研究の成果を平成16年4月の日本産科婦人科学会で発表予定である。 一方、子宮頚癌発生と関連した子宮頚部HPV感染の状況、感染HPVのサブタイプと前癌病変の関連についても検討を行っている。
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[Publications] 出口雅士, 高谷友紀子, 浜名伸也, 武木田茂樹, 吉田茂樹, 武内亨介, 本山 覚, 丸尾 猛: "当院における子宮体癌の治療と予後成績"産婦人科の進歩. 55. 324-329 (2003)
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[Publications] 竹内 聡, 宮元岳雄, 左右田裕生, 鈴木美奈子, 山辺晋吾, 寺井義人, 植田正嗣, 浜名伸也, 本山 覚, 丸尾 猛: "難治性卵巣癌に対する取り組み:A phase 1/2 study of weekly Taxolip+CBDCAiv therapy for optimal debullked Epitherial Ovrian Cancer"産婦人科の進歩. 55. 524 (2003)
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[Publications] 本山 覚: "近年のSTD発生状況-特に女性のQOLとのかかわりにおいて-"産婦人科の進歩. 55. 537 (2003)
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[Publications] 濱名伸也, 出口雅士, 宮原義也, 本山 覚, 丸尾 猛: "進行子宮頚癌に対する体外循環血液浄化装置を用いた高用量骨盤灌流化学療法"産婦人科の進歩. 55. 49-51 (2003)
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[Publications] 本山 覚, 松岡正造, 浜名伸也, 丸尾 猛: "広汎性子宮全摘術後の排尿障害に対するウラピジル投与の有用性"産科と婦人科. 9. 1275-1279 (2003)
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[Publications] 本山 覚, 森山俊武, 浜名伸也, 丸尾 猛: "女性性器クラミジア感染症に対するアジスロマイシン1000mg(500mg/日、2日間)投与の有用性"臨床婦人科産科. (in press). (2004)
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[Publications] Motoyama S, Deguchi M, Hamana S, Yoshida S, Ku Y, Miyahara Y, Tateiwa Y, Maruo T: "Super high-dose intraarterial CDDP infusion under percutaneous pelvic perfusion with Extracorporeal chemofiltration for advanced uterine cervical cancer"17^<th> Asia Pacific Cancer Conference proceedings. 39-40 (2003)
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[Publications] Miyahara Y, Yoshida S, Motoyama S, Tateiwa Y, Hamana S, Maruo T: "Effect of cis-diamine dichloroplatinum on vascular endotherial grouth factor expression in uterine cervical carcinoma"European Journal of Gynecologic Oncology. 25・1. 33-39 (2004)
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[Publications] Tateiwa Y, Yoshida S, Miyahara Y, Hamana S, Motoyama S, Maruo T: "Transient increase in squamous cell carcinoma antigen expression in cultured cervical carcinoma Caski cells in response to exposure to cisdiamminedichloroplatinum"TUMOR BIOLOGY. Accepted on May 21, 2003(in press). (2004)