2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390525
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 史郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80193027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (10220245)
臼井 智彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80282557)
田邊 樹郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00359605)
|
Keywords | 角膜 / 再生医療 / 角膜上皮細胞 / 角膜内皮細胞 |
Research Abstract |
平成16年度に以下のような研究結果を得ることができた。平成15年度にはヒト角膜の上皮、実質、内皮いずれの層からも、幹細胞分離法の一つであるスフェア法を用いて、組織幹細胞を得ることがわかったが、こうしてえた角膜の組織幹細胞を臨床応用するための技術の開発を今年度は行った。まずヒト角膜内皮より得た内皮スフェアを、ウサギ前房内に投与したところ、内皮面に広がり、角膜の透明性を維持することがわかった。また厚さ40μmのコラーゲンシートの上にヒト角膜内皮スフェアを播種して作成した内皮シートを兎に移植したところ、角膜の透明性が得られた。こうした手術後長期にわたって、眼圧上昇などの有害事象は見られず、臨床応用できる有効な方法であると考えられた。またヒト角膜実質より得た実質細胞スフェアを40-50μmの有孔性のゼラチンシートの上に播種して作成した再生角膜実質を兎角膜実質内に移植したところ、ラミニンやフィブロネクチンといった細胞外基質を大量に産生し、ゼラチンと徐々に置き換わっていくことがわかった。透明性を維持することが今後の課題であるが角膜実質の代替となりうる素材と考えられた。また平成15年度に角膜実質を無細胞化する方法として開発した窒素内密閉法により無細胞化したブタ角膜実質を兎角膜実質内に移植したところ、半年間に渡って角膜の透明性を維持した。こうして得られる無細胞化角膜実質は抗原性や病原性が極めて低く、スフェア法で得られる未分化な細胞と組み合わせていくことでより臨床応用にむいた角膜実質や角膜内皮などを作成することが可能であると考えられた。
|
Research Products
(2 results)