2004 Fiscal Year Annual Research Report
角膜疾患に対する温度応答性ポリマーを用いた培養細胞シート移植の開発
Project/Area Number |
15390530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 幸二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40244610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 光夫 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 教授 (00130237)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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Keywords | 再生医療 / 温度応答性培養皿 / 角膜上皮 / 角膜内皮 / 幹細胞 / 培養 / 口腔粘膜 / SP細胞 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの角膜移植の予後不良な疾患である、難治性角結膜上皮疾患(角膜上皮幹細胞疲弊症)と角膜内皮疾患(水庖性角膜症)に対する新たな再生医療技術を開発することを目的としている。以下に本年度の研究実績を記載する。 (1)培養角膜上皮シート移植の開発 1.温度応答性培養皿上で角膜上皮幹細胞および口腔粘膜上皮幹細胞を増殖させ重層化した上皮細胞シートを作成・回収する方法および回収した上皮シートを移植する方法を確立した。とくに、両眼性の難治性角結膜上皮疾患に対して、患者本人の口腔粘膜上皮を利用する自家培養上皮細胞シート移植法を開発し、その臨床応用に成功した(Nishida K et al.,New Engl J Med 2004)。 2.角膜上皮幹細胞が存在しているとされる輪部上皮から、side population細胞(SP細胞)を単離することにはじめて成功した。また、SP表現型の責任分子と考えられるBcrp1/ABCG2が輪部上皮の基底細胞に発現していることを見出した。さらに、SP細胞が幹細胞関連遺伝子の発現が高いことを証明し、輪部上皮由来SP細胞が角膜上皮細胞の前駆細胞/幹細胞である可能性を示した。 (2)培養角膜内皮シート移植の開発 培養内皮細胞シートを温度応答性培養皿上で作製し、低温度処理で回収することに成功した。また、回収した培養内皮細胞シートにおける細胞密度、ポンプ機能、バリア機能を定量し、正常in vivo内皮層と同等であることを示した。これらの結果より、作製・回収した培養内皮細胞シートは機能的、構造的に角膜内皮疾患(水庖性角膜症)の治療に応用できる組織工学的角膜内皮であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)