2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢組織由来の間葉系幹細胞による形成外科術の新展開
Project/Area Number |
15390538
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥居 修平 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60115607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 康雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50101168)
高田 徹 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40362248)
亀井 譲 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10257678)
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Keywords | 脂肪 / 間葉系幹細胞 / 形成外科術 / 無血清化 |
Research Abstract |
本研究計画は、1.脂肪由来の間葉系幹細胞による形成外科手術の開発および2.末梢血および筋肉からの間葉系幹細胞の分離法の開発のサブ課題からなる。本年度は1.に重点を置いて研究した。 (1)脂肪由来間葉系幹細胞の増殖能の年齢、性別依存性の評価 10ヶ月から69歳までの15例の患者から組織標本を得て天井面および下床面で増殖する2種類の幹細胞の培養を試みた。組織重量が0.5g以上ある症例では全例幹細胞の培養は可能であったが、0.5g未満の10ヶ月、3歳、50歳の症例のうち3歳および50歳の症例では幹細胞の単離はできなかった。性別による幹細胞の単離増殖に差異がみられなかった。 (2)動物実験による組織再建試験 ヒト脂肪組織から得たSVFと天井培養で得た下床細胞をI型コラーゲンに懸濁し、これを骨芽細胞誘導培地中で2週間培養した。その後直ちに切片を作成した群およびヌードマウス皮下に移植して2週間後に切片を作成した群ともに、HE染色、Kossa染色、Masson-trichrome染色、Alizarin Red S染色を行った。その結果は、SVF、下床細胞の両方とも移植前は陽性反応はみられなかったが、これを移植するとKossa染色とAlizarin Red S染色で陽性反応がみられ、その度合いはSVFの方が強いことが判明した。 (3)培養の無血清化またはヒト血清化 従来ヒト間葉系幹細胞の分離培養法に用いる培地には20%のウシ胎児血清が含まれている。予め20%ウシ血清(FD20で培養後、凍結保存していた45歳女性皮下脂肪由来の細胞について低血清培養の検討を行った。5%ウシ血清+EGF+FGF-2+IGF-1では、細胞増殖は15継代程度で停止し、また5継代目の時点ですでに多分化能は認められなかった。これらの増殖因子の組み合わせに加えて、培地組成の大幅改変を検討して、血清濃度を2%にまで下げる方向で検討を進めている。ヒト血清化についても準備を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] TaJima R, Toriyama K, Sano R, Inou K, Oda H, Torii S, Kitagawa: "Reversible heat-denaturation of Matrigel retains biological activity inducing differentiated phenotype of primary cultured hepatocytes and inducing de novo adipogenesis"Tissue Eng.(2004). (in press). (2004)
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[Publications] 北川泰雄, 宮崎隆道, 鳥山和宏, 鳥居修平: "脂肪組織から採取した幹細胞を用いて老化組織を再生させる"化学工業. 54号7号. 538-543 (2003)