2006 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞導入による頭蓋顎顔面領域の機能的再生外科学の創生
Project/Area Number |
15390542
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University(TWMU) |
Principal Investigator |
野崎 幹弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70086586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 裕之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60246585)
岡野 光夫 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 教授 (00130237)
大和 雅之 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 助教授 (40267117)
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Keywords | 生体材料 / 生体組織工学 / 再生医療 / 再建外科 |
Research Abstract |
ポリマー深部で播種細胞を健全な状態で維持生存させるためには、ポリマーの酸素や栄養素の透過性が問題になることがわかった。このため、酸素透過性を有することが明らかになっている生分解性天然型ポリマーを選択し、透過性全般について検討した。天然型ポリマーをシート状に加工して、透過性を検討したところ、酸素透過性は生分解性合成型ポリマーであるポリカプロラクトンより有意に優れていた。その他、分子量1000前後の微量栄養素を透過したことから、アミノ酸やペプチドなどの分子量の低い物質も透過性があることが推測された。この天然型ポリマーで円柱型スポンジを作成する方法を確立した。将来の臨床応用を考慮し、有機溶媒を用いる方法だけでなく、有機溶媒を用いない方法も考案した。塩と水を利用する方法のため無害であり、塩顆粒溶解後のスポンジ構造はつぶれることなく、良好に維持されていた。スポンジ構造内部で軟骨再生は表層だけでなく、深部でも得られることが確認された。ただし、家兎軟骨細胞軟骨再生には少なくとも2ヶ月から3ヶ月以上の長期間がかかることが明らかになった。 骨髄実質幹細胞は増殖を維持するためには常に細胞密度を多く保たなければ、細胞が平坦化し、細胞分化が誘導されてしまうため、播種密度が低い状態から細胞増殖を維持することはできなかった。また、骨髄間質幹細胞、および、軟骨膜前駆細胞、軟骨細胞から、軟骨再生誘導を比較検討したところ、軟骨再生にかかる時間、および、成長因子の投与量は骨髄間質幹細胞>軟骨膜前駆細胞>軟骨細胞の順で多くなる傾向が示唆され、実質的な医療経済性を考慮すると、軟骨再生に関して幹細胞に頼る必要性は必ずしも高くないことが推察された。
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Research Products
(6 results)