2004 Fiscal Year Annual Research Report
β3インテグリン組み換え型培養表皮の開発-生着率向上に向けて-
Project/Area Number |
15390543
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
久保 美代子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00098609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 隆彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10111816)
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Keywords | 遺伝子導入 / αvβ3 / ヒトケラチノサイト / 細胞接着能 / 細胞移動能 / 細胞外基質 |
Research Abstract |
β3インテグリン・サブユニツトcDNA導入培養ヒトケラチノサイトの諸細胞機能のin vitroでの解析 レトロウイルスベクター法によりβ3インテグリン・サブユニットcDNAを導入したヒトケラチノサイトは,細胞表面にαvβ3を発現した.αvβ3発現陽性率は培養中の細胞密度に依存した.すなわち,50%confluentで約60%陽性,100%confluentで約25%陽性であった.コントロール細胞ではαvβ3発現は陰性であった.β3インテグリン・サブユニットcDNAを導入したヒトケラチノサイトは,フィブリノーゲン(FG),フィブリン(FB),変性コラーゲン{gelatin(GEL)},ビトロネクチン(VN),フィブロネクチン(FN)に対してコントロール細胞(β-galactosidase cDNA導入ヒトケラチノサイト)に比べて,有意に細胞接着が増加し,細胞伸展が増加した.I型コラーゲンに対しては,両者間でその差がなかった.β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒトケラチノサイトのFB,GELに対する細胞接着は,LM609(抗αvβ3モノクローナル抗体)あるいはRGDペプチドによるpre-incubationにより濃度依存性に抑制され,αvβ3ならびにRGD依存性であることが証明された.正常マウスIgG1あるいはRGEペプチド(コントロール)によるpre-incubationでは同細胞接着は変化しなかった.また,5日間のcell growth assayにおいて,β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒトケラチノサイトはFG,FB,VN,GEL上でコントロール細胞に比べて有意に細胞増殖が増加した.同ケラチノサイトの細胞増殖率(培養5日目の細胞数/培養1日目の細胞数)は,FG上でコントロール細胞に比べて著明に増加し,次いでGEL,VN,FB上の順に増加した.LN, IV型コラーゲン,FN,I型コラーゲン上では両者間において細胞数ならびに細胞増殖率の有意差はなかった.以上の結果は,β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒトケラチノサイトを用いて作製した培養表皮が難治性の深い熱傷創,慢性創傷部(FG,FB,変性コラーゲンが多く局在する)への培養表皮移植片の生着率の向上ならびに再上皮化過程の促進に有用であることを強く示唆した.
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Research Products
(1 results)