2003 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染性ショックの発症機構、診断、治療の総合的展開:新パラダイムを求めて
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15390546
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 助教授 (90260752)
阿辺山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
川上 雅之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70336345)
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Keywords | アナンダマイド / 2-arachidonylglycerol(2-AG) / endocannabinoid / 内因性マリファナ / 敗血症性ショック / High Mobility Group Box-1 / RAGE |
Research Abstract |
このプロジェクトで申請者らが上げた実績は以下の通りである。 1.マクロファージ上の分子のTLR-2と-4の間にはクロストークがあること:グラム陰性菌菌体分子:エンドトキシン(LPS)を認識するTLR(Toll-Like Receptor)-4と、グラム陽性菌のペプチドグリカン(PGN)を認識するTLR-2の間にはクロストークの関係があり、高濃度のLPS刺激はTLR-2を介して、TLR-4の発現をアップレギュレーションする。 2.TLR-2,-4の刺激でマクロファージと血小板からは内因性カンナビノイドが産生放出される:グラム陰性菌のLPS刺激、グラム陽性菌のPGN刺激で、マクロファージはアナンダマイドを、血小板は2-arachidonylglycerol(2-AG)(いずれも内因性マリファナ、内因性カンナビノイド)を産生放出する。そしてこれらの内因性カンナビノイドは体中の臓器にあまねく発現しているCB1,CB2受容体に作用して、生体諸システムに作用する。 3.そしてこれらの内因性カンナビノイドの高感度測定系を確立した。 4.内因性カンナビノイドは細菌感染症性ショックの早期メディエーターである:細菌性分子(LPS、PGNなど)の刺激で、マクロファージ、血小板から産生、放出されたアナンダマイド、2-AGが過剰の場合には、CB1受容体を介して、NO、PGI2を産生放出させて血管拡張性に作用する。これが細菌感染症性ショックの早期メディエーターとして作用する。 5.骨セメント移植症候群に伴うショックでも2-AGが過剰産生されてショックを惹起する 6.ショックの後期にはHMGB-1(High Mobility Group Box Chromosomal Protein-1)がメディエーターとして働く:核内DNA結合タンパクは細胞壊死やマクロファージ刺激に際して細胞外に遊離してきて、受容体RAGEに作動すると、細胞のランダムな運動、炎症性サイトカインの放出を惹起して、個の運命を決定し、死のメディエーターエーターとして作用する。 そしてこのHMGB-1の高感度測定系も確立した。
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[Publications] Noboru Taniguchi, Ikuro Maruyama, et al.: "High Mobility Group Box Chromosomal Protein 1 Plays a Role in the Pathogenesis of Rheumatoid Arthritis as a Novel Cytokine"Arthritis & Rheumatisum. 48(4). 971-981 (2003)
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[Publications] Sarker KP, Maruyama I: "Anandamide induces cell death independently of cannabinoid receptors or vanilloid receptor 1 : possible involvement of lipid rafts"Cell Mol Life Sci.. 60(6). 1200-1208 (2003)
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[Publications] Krishna P.Sarker, Ikuro Maruyama, et al.: "Ebselen inhibits NO-induced apoptosis of differentiated PC12 cells via inhibition of ASK1-p38 MARK-p53 and JNK signalling and activation of p44/42 MAPK and Bc1-2"J Neurochem. 87. 1345-1353 (2003)
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[Publications] Kamal Krishna Biswas, Ikuro Maruyama, et al.: "Membrane Cholesterol But Not Putative Receptors Mediate Anandamide-induced Hepatocyte Apotosis"Hepatology. 38(5). 1167-1177 (2003)
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[Publications] Yamada S, Maruyama I, et al.: "High mobility group protein 1 (HMGB1) quantified by ELISA with a monoclonal antibody that does not cross-react with HMGB2"Clin Chem.. 49(9). 1535-1537 (2003)
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[Publications] Motobe T, Maruyama I, et al.: "Endogenous cannabinoids are candidates for lipid mediators of bone cement implantation syndrome"Shock. 21(1). 8-12 (2004)