2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390555
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉本 朋貞 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 博之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20193435)
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00158057)
寺山 隆司 岡山大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (60333689)
藤田 雅子 岡山大学, 歯学部, 教務員 (40156881)
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Keywords | 三叉神経節 / 1次ニューロン / アポトーシス / TUNEL / caspase-3 / caspase-9 / カプサイシン / 痛み |
Research Abstract |
幼若ラットへのカプサイシン全身投与によって誘発される1次求心ニューロンの細胞死のメカニズムをTUNEL法及びcaspase-9とcaspase-3の免疫染色によって検討した。 生後1日目のラット新生仔に低体温麻酔下でカプサイシンを全身投与した。4時間から5日後に潅流固定を行い、三叉神経節及び脊髄神経節を摘出した。クリオスタットを用いて作成した10μm厚の切片にTUNEL染色及びcaspase-9とcaspase-3の免疫染色を施したところ、それぞれの染色に対する陽性神経細胞が観察された。陽性細胞は正常ラットの神経細胞ではほとんど見られなかったが(<1%)、いずれの神経節でもカプサイシン投与後12時間から増加し始め、24時間後でピーク(いずれの染色でも約8-9%程度)となり、以後減少して3日目以後に正常値に戻った。切断後24時間の切片にTUNELとcaspaseの二重染色を施したところ、TUNEL陽性細胞の70〜80%がcaspase-9陽性、caspase-9陽性細胞の70〜80%がTUNEL陽性を示した。またTUNELとcaspase-3に関しても同様の共発現関係が見られた。caspase-9とcaspase-3の共発現については、上記の定量結果を元に計算した結果、一方のcaspaseを発現する細胞の半数以上が他方のcaspaseを発現することが推測され、隣接する2枚の切片を比較した結果、同一の細胞が両方のcaspaseを発現している例が多数観察された。 以上の結果を総合すると、幼若ラットへのカプサイシン全身投与によって誘発される1次求心ニューロンの細胞死には、caspase-9とcaspase-3が連鎖的に活性化されるcaspase cascadeのメカニズムが関与していることが明らかとなった。
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