2003 Fiscal Year Annual Research Report
Notchによる軟骨細胞・骨芽細胞分化振り分けの分子機構の研究
Project/Area Number |
15390557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
穂積 信道 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (60051744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守村 直子 昭和大学, 歯学部・口腔生化学教室, 助手 (00349044)
香山 雅子 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (80318229)
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Keywords | Notch1 / ATDC5 / 内軟骨性骨化 / 軟骨基質 / 骨形成 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
我々はNotchは骨芽細胞の分化を促進することを見出した。我々の骨格の大部分を占める長管骨は内軟骨性骨化により形成される。内軟骨性骨化では実分化間葉系細胞から軟骨細胞が分化し軟骨基質を産生し最終的には骨芽細胞により形成される骨基質により置き換えられる。このように軟骨形成は骨形成より以前におこる。まずマウス胎生期におけるNotchタンパクの発現を免疫組織学的染色により解析した。胎生12.5日には軟骨前駆細胞が初期分化段階にいたる。この時期のマウスの四肢においては前軟骨細胞で発現がみられたが、増殖軟骨では減少し肥大軟骨では再び上昇した。軟骨分化とNotch1発現との関係をさらに詳細に調べるために、マウス軟骨様細胞株(ATDC5)を使用した。この細胞は複雑な軟骨細胞の分化過程を忠実に再現することで知られている。Confluent期に達した培養細胞にインスリンを添加すると再び増殖を開始し、Fibroblast様形態から軟骨細胞へと変化する。さらに増殖軟骨、肥大軟骨期をへて軟骨基質を産生するようになる。インスリン添加後、培養3日で細胞凝集がみられるが、この時期頃から発現が上昇し6日で最大に達し以後減少した。Notchのリガンドを発現するDII1を発現するミエローマ細胞と共存培養したところアルシアンブルー陽性を示す軟骨細胞の分化が顕著に抑制された。この点をさらに明らかにする目的で活性型(細胞質内ドメイン)Notchを組み込んだアデノウイルスベクターをATDC5細胞に導入した。ATDC5細胞の増殖軟骨、肥大軟骨細胞への分化は強く抑制された。軟骨基質であるタイプIIやXIコラーゲンの産生も抑制された。また軟骨形成に重要であるSox9,Scleraxis等の転写因子の発現も抑制された。これらの結果はNotchは軟骨細胞の分化を抑制することを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watanabe, N., Tezuka, Y.et al.: "Suppression of differentiation and proliferation of early chondrogenic cells By Notch"J.Bone Miner.Metab.. 21. 344-352 (2003)
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[Publications] Baba, T., Fusaki, N.et al.: "Myosin is an in vivo substrate of the protein tyrosine phospatase (SHP-1) after mlgM cross-linking"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 304. 67-72 (2003)
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[Publications] Kohyama, M., Sugahara, D.et al.: "Inducible costimulator-dependent IL-10 production by regulatory T cells specific for self-antigen"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press). (2004)