2005 Fiscal Year Annual Research Report
Notchによる軟骨細胞・骨芽細胞分化振り分けの分子機構の研究
Project/Area Number |
15390557
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
穂積 信道 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (60051744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光浩 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (00321662)
守村 直子 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, 研究員 (00349044)
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Keywords | Limb Bud Micromass Culture / DAPT / 軟骨形成 / マウス肢芽 / 間葉系幹細胞 / 細胞凝集 |
Research Abstract |
我々はマウス軟骨様細胞株であるATDC5を用いて、Notch刺激が軟骨細胞分化を抑制することを見出した。本年度は生体内環境に準じた条件下におけるNotchによる軟骨形成制御のメカニズムを研究した。 この目的のため、マウス胎児(胎生12.5日)の肢芽からLimb Bud Micromass Culture(LBMC)を作製した。高密度で胎児肢芽の間葉系幹細胞の組織培養(LBMC)をつくるとこれらの細胞が凝集し結節を形成する。さらに、この結節内の間葉系細胞は成熟軟骨細胞に分化する。LBMCの分化過程における分子機構の解析では、軟骨細胞分化を特徴づける遺伝子発現が段階的におこることが証明されており,軟骨分化のin vitroモデル実験系として優れていることが知られている。LBMCにNotch遺伝子の細胞内ドメイン(IC)を有するアデノウイルスベクターを導入し、またプレセレニン阻害剤であるDAPTを添加することにより軟骨細胞分化のメカニズムを解析した。 RT-PCRでNotch1の発現を検討したところd3とd5でピークに達し、以後発現は減少した。Notch1のリガンドであるJagged1,2の発現はともにd5がピークであった。この時期は細胞凝集結節形成期と一致している。次にLBMCにおける活性化Notch1の発現部位を免疫組織化学染色により検討した。初期細胞凝集部位に比較的強い発現が認められ、軟骨結節にはさらに強い発現が確認された。さらにNotchシグナリングに重要なγ-secretaseを阻害するDAPTを添加し実験を行ったところ、活性化Notch1の著名な減少が観察された。DAPTを添加したLBMCでは、3dまでに間葉系細胞凝集の著名な増加が認められた。γ-secretaseの基質として、Notch以外に、N-cadherin,Erb4,CD44などが知られている。したがってDAPTはNotch以外のシグナル伝達経路にも影響を与える可能性が考えられる。この点を明らかにするためにアデノウイルスベクターを用いてNotc-ICをLBMCに導入した。Notch-ICの遺伝子導入は、DAPT添加による軟骨細胞分化促進を抑制した。これらの結果はNotchシグナルは前軟骨細胞凝集と結節形成を抑制することにより軟骨形成を負に制御することを示唆している。
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