2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌鉄結合蛋白X線結晶構造解析から新規抗菌薬の創製に向けて
Project/Area Number |
15390566
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10144776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 一博 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70034171)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
西村 英紀 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80208222)
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00274001)
新井 英雄 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70222718)
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Keywords | 細菌 / 鉄結合蛋白 / Actinobacillus actinomycetemcomitans / X線結晶解析 |
Research Abstract |
本研究は、これまで申請者らが行ってきた歯周病細菌の増殖と病原性発現に不可欠な鉄獲得系に関わる鉄結合蛋白の分子生物学的研究を基にその立体構造と機能解析を行ない、それに基づいて新規抗菌薬の創薬や探求することを目的に行なっている。今年度は以下の研究実績であった。 1.グラム陰性歯周病細菌Actinobacillus actinomycetemcomitansのフェリチン遺伝子(DDBJAB004902)はフェリチン1とフェリチン2という2つの鉄結合蛋白を菌体内で発現していた。それぞれのフェリンチン1およびフェリチン2さらにはフェリチン1+2のリコンビナント蛋白をそれぞれ精製し、蛋白結晶化を試みた。フェリチン1はX線結晶解析に十分な結晶が得られたが、現在フェリチン2はアモルファス状にしかならなかった。フェリチン1と2の混合物でもフェリチン1のみしか結晶化せず、フェリチン2の構造と役割に興味が持たれた。近縁の病原細菌Haemophilus influenzaeにも同様の構造のフェリチン遺伝子を有することを見出した。 2.黄色ブドウ球菌や肺炎双球菌のゲノム情報から鉄結合や菌体内酸化防止に関わるDps蛋白の遺伝子データを検索し、それぞれのHis-Tagリコンビナント蛋白を精製し、結晶化を試みた。 3.ライム病スピロヘータの鉄結合蛋白Dps様蛋白は大腸菌での大量発現が困難であり、生体内抗菌物質ディフェンシンに似てC末端にシステイン残基に富んでいた。この部分の合成ペプチドを各種作成し、抗菌活性を検討している。 4.X線結晶解析に十分なリコンビナント蛋白さらには蛋白結晶が得られた標品についてはX線結晶解析を進めている。現在、共同研究を行っているエジンバラ大学Campopiano博士、シェフィールド大学Artymiuk博士の協力を仰ぎその蛋白質立体構造解析を引き続き継続している。
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Research Products
(2 results)