2004 Fiscal Year Annual Research Report
コーンビームCTを用いた嚥下障害代償姿勢による咽頭腔の変化の3D表示に関する研究
Project/Area Number |
15390568
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 啓二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10116626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 信一 (山田 信一) 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10263724)
藤原 百合 広島大学, 病院・助手 (40346515)
吉田 光由 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50284211)
飯田 幸弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (60350873)
勝又 明敏 (川俣 明敏) 朝日大学, 歯学部, 助教授 (30195143)
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Keywords | 嚥下 / CT / 梨状陥凹 |
Research Abstract |
今年度は梨状陥凹および咽頭腔に関するデータを収集した.使用したエックス線機器は,Cone beam CT装置(CBCT)CB MercuRay(日立メディコ株式会社)である. 被験者は,嚥下障害を訴えないボランティア10名である。被験者のフランクフルト平面を床と平行になるよう位置づけ,CBCT装置で撮影した.安静時での撮影を行うため,唾液嚥下を指示して約10秒後にCBCT撮影を行った.次に,被験者にできるだけ右を向くよう指示し,同様にCBCT撮影を行った.撮影条件は電圧100kV,電流10mA,スキャンスピード9.6秒/360度である. 得られたデータは3次元画像計測ソフトVGstudio MAx1.1を用いて解析した.解析項目は垂直座位,右向き座位での梨状陥凹の断面積,深さ,容積である.梨状陥凹の定義は披裂喉頭蓋襞が咽頭壁に接触するスライスを上面と定義した.なお,断面積とはAxial面における梨状陥凹上面の面積である.また,咽頭腔のMPR画像,virtual endoscope画像を作成し,右向き時の咽頭腔の状態について検討した.結果は以下の通りである. 正面座位および右向き座位における三次元的計測および3D画像の表示を行い,右向き時には,右側梨状陥凹の断面積が増加する例が5名,減少あるいはほとんど変化がない例が残り5名に認められた.右向き時の右側梨状陥凹の深さは正面時と比べて有意に深くなり,その容積も有意に増加した.左側梨状陥凹は,その断面積および容積が有意に増加した.左側梨状陥凹の断面積は,右側梨状陥凹の断面積と比較してより大きく拡大した.MPR画像およびvirtual endoscope画像では,咽頭腔は下顎骨に対して左側に偏位していた.
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