2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390569
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
鹿島 勇 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00130914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 孝 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60277910)
中村 貢治 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50298238)
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Keywords | モルフォロジカルフィルタ / 骨形態計測 / 骨質評価 / 放射線 |
Research Abstract |
(1)カニクイザルの顎骨構造の変化 構造指標による顎骨骨質評価法の臨床前段階として、ヒトに近い咬合様式と歯列を持つと考えられるカニクイザルを用いて顎骨構造の評価を行った。卵巣摘除手術(OVX)群と偽手術(SHAM)群に分けその骨構造解析をおこなったところ、下顎骨体部においてOVX群では骨塩量(BMD)に有意な低下と皮質骨厚の有意な低下を認めたが、海綿骨構造にはほとんどの構造パラメータで有意な差を認めなかった。これは、下顎骨体部における骨粗鬆症のスクリーニング検査にはBMDの変化を強く反映し、BMDよりも簡便に計測できる皮質骨厚が有用であることを示唆するものであった。一方、下顎骨頭部(顎関節頭部)においては、皮質骨厚の有意な低下および海綿骨構造の有意な劣化を認め、卵巣摘除による骨粗鬆化が皮質骨・海綿骨の両者に影響し、骨粗鬆症が顎関節疾患の大きなリスクファクタとなりうることを示唆した。 (2)臨床画像への応用 これまで取得して、データベース化された臨床画像の中から、顎骨の悪性腫瘍および顎骨炎の典型的と思われる症例について骨構造に違いが認められるか否かを視覚的に評価した。その結果、慢性顎骨炎においては骨の粗造化を反映して、骨梁構造の粗造化が認められた。しかし、悪性腫瘍(歯肉扁平上皮癌)においては、病巣周囲のごく限られた領域の骨梁の断裂が認められ、典型的な症例では両者の鑑別の可能性が示唆された。歯科用インプラントの予後判定については現在までのところ、従来の単純X線写真による診断方法と比べて、診断能の向上などの明らかな知見は得られていない。
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Research Products
(5 results)