2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子操作によるodontoma自然発症モデルマウスの系統樹立と発症機構の解明
Project/Area Number |
15390572
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
野崎 中成 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90281683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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Keywords | 遺伝子操作 / odontoma / 歯牙腫 / 細胞分化 |
Research Abstract |
ポリADP-リボース合成酵素(Parp-1)は、細胞死や転写制御を介して細胞分化に関与することが報告されている。また、Parp-1^<-/->マウスでは象牙質が顕著に肥厚し、象牙芽細胞の不規則な配列と象牙質の過剰形成が観察されることからParp-1は象牙芽細胞の細胞分化に重要な役割を果たしていることが示唆される。ヒト歯牙腫瘍性病変の発症および進展へのParp-1の関与を調べるため、Parp-1の発現と局在について調べた。種々のParp-1抗体でodontoma組織標本4検体の免疫組織化学的解析を行い、システム生物顕微鏡(Olympus BX51-33)を用いて染色標本の評価を行った。細胞死で分断されたParp-1 (cleaved Parp1)のアミノ酸214/215を特異的に認識する抗体を用いた解析から、cleaved Parp1は腫瘍組織のgerm-like tissues,immatureなdentin及びenamelで発現していた。構成細胞ではodontoblasts, epithelial component corresponded ameloblastsおよびreduced enamel epitheliumに発現が認められた。象牙芽細胞の分化マーカーであるDentin sialoprotein (Dsp)はimmature dentinで発現していてcleaved Parp1の発現と同じ局在を示した。以上の結果よりcleaved Parp1はヒトodontomaで未分化象牙質の構成細胞で発現していて、象牙芽細胞の異常な分化に関与することが示唆された。一方、数種類のintact Parp1を認識する抗体を用いた解析を行ったがintact Parp1を発現する細胞は検出できなかった。Odontomaにおけるintact Parp1の発現についてはさらに詳細な解析が必要であると考えられた。
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