2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390586
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
依田 正信 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70005073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 幸平 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40108551)
今野 龍彦 東北大学, 病院・助手 (80282143)
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10206766)
奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
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Keywords | チタン合金 / 陶材焼付前装冠 / 焼付強度 / 熱膨張収縮 |
Research Abstract |
申請者らのこれまでの研究結果から,Au,Ag,Cuを添加元素とする試作二元チタン合金が,耐食性,機械的性質,機械加工性に優れていることが判明した。本年度はこれらの試作二元チタン合金のうちTi-20wt%Au, Ti-05wt% Cuについて,ISO9396規格に準じた熱膨張収縮測定試験を行った。その結果,50℃から500℃までの熱膨張係数はTi-20wt% Auが約10.1(×10^<-6>/℃),Ti-05wt% Cuが約10.2(×10^<-6>/℃)と純チタンの約9.2(×10^<-6>/℃)と比べ約10%程度大きいことが判明した。一方,これらに応用可能と考えられるチタン用陶材(VITAチタンポーセレン)は,昨年度までの研究で約8.2(×10^<-6>/℃)であったことから,試作合金の熱膨張係数は本陶材より約20%程度大きいことになり,焼付用合金としてはやや大きすぎることが判明した。一方,これまで検討してきたTi-15wt% PdとTi-20wt% Pdにみられたような冷却時における変態によると思われる変曲点はみられず焼成後の変形の可能性は少ないことも判明した。 次に,これらの試作二元合金とVITAチタンポーセレンとの焼付強度試験もISO9396規格に準じて行った。しかしその結果はいずれもISO9693規格の基準値である25MPa以下の値であり,十分な焼付け強度が得られなかった。VITAチタンポーセレンは純チタン用陶材であるが,純チタンに対する焼付け強度も26MPaと基準値に近い値であり十分とはいえなかったことから,熱膨張係数の違いばかりでなく,本陶材のボンディングエージェントの応用方法に問題があるように思われた。今後,これらの原因を詳細に究明し,さらに強度試験を継続していく予定である。
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