2004 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌に対する新規薬剤併用療法の開発-DNA脱メチル化剤と抗癌剤の併用-
Project/Area Number |
15390617
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 雅之 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20144983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉谷 哲也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30274236)
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Keywords | 口腔癌細胞 / カスパーゼ / DNA脱メチル化 / 抗癌剤 / アポトーシス / 転写因子NF-κB |
Research Abstract |
1.口腔癌や唾液腺癌細施においては、転写因子NF-κBが正常細胞に比較して高発現していることから、頭頸部癌治療において分子標的に成り得ると考えられる。そこで、口腔癌細胞株(B88)に構成的にNF-κB活性を抑制する変異型IκB-α cDNAを導入した細胞クローン(B88mI)を樹立した。B88mIはB88に比較してIL-1α,IL-6,IL-8,VEGF, MMP-9の産生抑制により、ヌードマウスでの造腫瘍性において著しい低下を示した。また担癌ヌードマウスを放射線あるいは5-Fluorouracil(5-FU)にて処理したところ、B88mI担癌マウスにおいてはB88担癌マウスに比較して腫瘍抑制において著明な効果が確認された(Int J Cancer,108:912-921,2004)。 2.頭頸部癌治療においてシスプラチン(CDDP)と5-FUの併用療法は有効である。そこでB88細胞におけるアポトーシス誘導における至適併用療法をカスパーゼの活性化から解析した。その結果、CDDPを先行投与後5-FUを投与するレジメンは、同時に投与する方法や5-FU先行投与後CDDPを投与する方法に比較して、著しいcytochrome cの遊離とカスパーゼの活性化につながり、最も有効にアポトーシスを誘導することが明らかとなった(Int J Oncol,24:1449-1455,2004)。 3.DNA脱メチル化剤である5-aza-2'-deoxycytidine(5-Aza-CdR)にて唾液腺導管細胞株(NS-SV-DC)を処理した場合、発現の見られなかった水輸送膜蛋白であるAquaporin(AQP)5の発現誘導が確認された。この誘導はAQP5遺伝子プロモーター内のCpGアイランドでの脱メチル化に起因していることが明らかとなった(Lab Invest,85:342-353,2005)。
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Research Products
(5 results)