2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎変形症の解明にむけた骨細胞に細胞死を誘導する遺伝子導入マウスの作製
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15390641
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
小林 泰浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (20264252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (20350829)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (90329475)
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350824)
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Keywords | 機械的刺激 / プロスタグランジンE_2 / RANKL / PGE_2受容体 / RAW264.7 / NF-κB / p38 MAPK / 破骨細胞 |
Research Abstract |
咀嚼に伴う顎骨への機械的な刺激は、顎骨の成長における重要な因子の1つとして考えられている。このような機械刺激に反応し、骨細胞は、プロスタグランジンE_2(PGE_2)などのケミカルメディエーターを産生する。産生されたPGE_2は、骨芽細胞に作用し、RANKLの産生を促し、骨吸収を促進することが知られている。また、PGE_2は、破骨細胞前駆細胞に直接作用し、RANKLの破骨細胞の分化作用を増強することが報告されている。本研究では、PGE_2によるRANKL誘導性破骨細胞の分化増強機構を解析した。RT-PCR法を用いて、PGE_2受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)mRNAの発現を調べた。骨髄マクロファージおよびRAW264.7細胞は、EP1、EP2、およびEP4 mRNAを発現していた。一方、成熟破骨細胞はEP1 mRNAのみを発現していた。RAW264.7細胞において、PGE_2はRANKLによって誘導されるTRAP陽性の多核破骨細胞形成を著明に増強した。RAW264.7細胞におけるPGE_2の作用は、db-cAMPによって代替することができた。さらに、PKA阻害剤であるH-89によって抑制された。この結果は、PGE_2は、EP2およびEP4受容体を活性化し、cAMP-PKA系を介して作用していることを示唆するものである。次に、PGE_2が、RANKLのシグナルに影響を及ぼすかを検討した。RAW264.7細胞において、PGE_2は、RANKL-誘導性のIκBの分解およびp38 MAPKのリン酸化反応を著明に増強した。以上の結果から、破骨細胞前駆細胞において、PGE_2は、RANKLによるNF-κBとp38 MAPKの活性化を増強することにより、破骨細胞の分化を促進することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Suda K.et al.: "Suppression of osteoprotegerin expression by prostaglandin E_2 is crucially involved in LPS-induced osteoclast formation."Journal of Immunology. 172・4. 2504-2510 (2004)
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[Publications] Nakamura M.et al.: "Osteoprotegerin regulates bone formation through a coupling mechanism with bone resorption."Endocrinology. 144・12. 5441-5449 (2003)
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[Publications] Li X.et al.: "p38 MAPK is crucially involved in osteoclast differentiation but not in cytokine production, phagocytosis or dendritic cell differentiation of bone marrow macrophages."Endocrinology. 144・11. 4999-5005 (2003)
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[Publications] Itoh K.et al.: "LPS promotes the survival of osteoclasts via toll-like receptor 4, but cytokine production of osteoclasts in response to LPS is different from that of macrophages."Journal of Immunology. 170・7. 3688-3695 (2003)
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[Publications] Nakagawa H.et al.: "Destruxins, cyclodepsipeptides, block the formation of actin rings and prominent clear zones and ruffled borders in osteoclasts."Bone. 33・3. 443-455 (2003)
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[Publications] Takami M.et al.: "Involvement of vacuolar H^+-ATPase in incorporation of risedronate into osteoclasts."Bone. 32・4. 341-349 (2003)
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[Publications] Takahashi N.et al.: "Bone Research Protocols"Humana Press Inc. 448 (2003)