2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎変形症の解明にむけた骨細胞に細胞死を誘導する遺伝子導入マウスの作製
Project/Area Number |
15390641
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (20350829)
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (90329475)
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Keywords | 骨細胞 / 機械刺激 / 細胞死 / 骨リモデリング / エストロゲン受容体 / タモキシフェン / Fas / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
顎骨形成において、骨細胞が筋の収縮によって生じる機械力を骨の歪みとして受容し、周囲に骨吸収と骨形成のシグナルを伝達していると考えられている。しかし、これまで行われている生体外の実験では骨リモデリングに及ぼす骨細胞の役割を明らかにすることは困難である。本研究では、顎骨形成における機械刺激を感知する細胞である骨細胞の役割を生体内で明らかにすることを目的とした。そこで、骨細胞特異的かつ、ある特定時期に細胞死を誘導できる遺伝子導入マウスを試みた。具体的には、Fasとタモキシフェンにより活性化される変異エストロゲン受容体の融合タンパク質(Fas-ER^T)をdentin matrix protein-1(dmp-1)遺伝子プロモーター制御下で発現させる。これまでに、dmp-1遺伝子の転写開始点から上流2kbまでのプロモーター領域を単離した。次にこのプロモーター領域の下流にGFP遺伝子をつないだ発現ベクターを作製し、これを骨芽細胞株MC3T3-E1細胞に導入し、安定発現株を得た。さまざまな長さのdmp-1プロモーター領域を用いたGFP発現ベクターの安定発現株を30日間の長期培養を行うことによって、骨細胞特異的なエンハンサー領域が-1200〜800bp領域中に存在することを見出した。次に、細胞外ドメインにFlagタグをつけたFas-ER^Tプラスミド発現ベクターを作製し、これを骨芽細胞株MC3T3-E1細胞に一過性に過剰発現させた。ここに、抗Flag抗体とタモキシフェンを添加することで、細胞死を誘導させたが、Fas-ER^T発現細胞中で30%の細胞しか細胞死を誘導しなかった。現在、ジフテリア毒素受容体やチミジンキナーゼなど、ほかの細胞死シグナル分子を用いることによって、さらに効果的に細胞死を誘導できるシステムを構築中である。
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Research Products
(7 results)