2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390658
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 参生 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70168665)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40200141)
川崎 弘二 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (80309187)
|
Keywords | 初期う蝕 / QLF法 / 早期う蝕診断 / フッ素配合歯磨剤 |
Research Abstract |
in vitroにおけるエナメル質の再石灰化現象の解明をQLF法にて行った結果、エナメル質脱灰試料への低濃度フッ化物作用による再石灰化は、エナメル質の脱灰程度によって異なり、低脱灰群に対しては1ppmFのフッ化物イオンの存在が再石灰化を促進することがわかった。また、高脱灰群では,1ppm以下のF濃度では有意な再石灰化は認められないことがわかった. また、各種フッ化物(歯磨剤群,APF群,歯磨剤+APF群,コントロール群)による再石灰化について検討した結果、歯磨剤およびコントロール群で100%の再石灰化を確認した.APF群およびAPF+歯磨剤群では,約50%の再石灰化しか見られなかった.試料外部溶液中のCaおよびP(一部F)の飽和状態での存在が再石灰化に有効であることがわかった.APF(高濃度F)の作用は,試料最表層にCaFを形成し,表層下脱灰内部の再石灰化を抑制することが明らかになった. QLF法を用いたClinical Study(治験委員会の承認受理研究)の結果では、Placebo(非F配合歯磨剤)とF配合歯磨剤との1年間齲蝕抑制効果は、Placebo群では,一年後白斑(65)は,脱灰促進と再石灰化とがほぼ半数づつであることが明らかとなった。F配合歯磨剤群では,一年後白斑(65)は,約70%が再石灰化を示した.再石灰化の程度は,一年後100%の再石灰化が認められることはなった.非FおよびF配合歯磨剤の再石灰化に及ぼす因子解析の結果、再石灰化に及ぼす因子は、F配合歯磨剤群では,Fの影響が非常に大きく,その中で年齢が再石灰化に有意に影響することがわかった.Placebo群では,初期齲蝕程度,DMF歯数,嗜好食品の摂取頻度が再石灰化に影響することがわかった.
|