2006 Fiscal Year Annual Research Report
イタリアにおける美術作品の保存・修復の思想と歴史-欧米各国との比較から-
Project/Area Number |
15401007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 温司 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 教授 (50177044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 清雄 千葉大学, 文学部, 教授 (60344959)
蜷川 順子 関西大学, 文学部, 助教授 (00268468)
喜多村 明里 兵庫教育大学, 教育学部, 助教授 (90294264)
水野 千依 京都造形大学, 芸術学部, 助教授 (40330055)
平芳 幸浩 国立国際美術館, 研究員 (50332193)
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Keywords | 保存 / 修復 / 洗浄 / 文化財 / オリジナル |
Research Abstract |
本年度は主に、各メンバーがそれぞれ報告書作成のために、これまで進めてきた研究のまとめを行なった。その内容は以下の通りである。岡田は「絵画の「衛生学」-修復・保存の「生政治」」。上村はバニョーリの論文「謙譲の姿勢をとり悲嘆するふたりを伴った十字架上のキリスト」の翻訳。蜷川は「《ヘント祭壇画》修復の歴史」。喜多村は、ブランディの修復思想の再検討。水野は、イタリア中世末期のイコンにおける塗り直しの歴史人類学的考察。平芳は、デュシャンとアメリカにおける現代美術の保存・修復の現状調査。さらに、研究協力者の生田がロンドンのナショナル・ギャラリーにおける洗浄論争について調査した。同じく金井は、アルテ・ポーヴェラを中心にしたイタリア現代美術の保存・修復についての調査をまとめた。西田は、19世紀末ウイーンの文化財保護の状況をクリムトを例に論じた。青山は、19世紀のフランスにおいて、写真という新しいメディアが文化財や歴史的建造物という概念にいかに影響を及ぼし、その保存の理念と以下にかかわっていたかを研究し論文にまとめた。松原は、日本における断片化した茶器の受容形態をを調査し、独特の保存・修復観があることを明らかにした。これらの成果は研究報告書としてまとめられた。
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Research Products
(6 results)