2004 Fiscal Year Annual Research Report
標準中国語の単音節母音と声調に関する北京・台湾間の音響学的・社会言語学的対照研究
Project/Area Number |
15401011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 聡 東北大学, 留学生センター, 教授 (20292352)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国・台湾 / 中国語 / 母音 / 声調 / 音声学 / 社会言語学 / データベース |
Research Abstract |
本研究課題の2年目、最終年度にあたる今年度は、前年度に収集した音声データを分析可能な形にする作業を行い、海外共同研究者との連絡を取りつつ音響学的分析を進めた。 具体的には、まず標準中国語において可能な全音節1,275種につき収録した、北京語母語話者54人の録音及び台北出身の母語話者2人の録音のうち、それぞれ数人分の録音を個々の音節に分割した。各音節について個別のファイルを作成し、ラベリングを行うこの作業には計5名の大学院生を研究補助者として謝金雇用して当たった。音節ごとに分割しラベリングを行ったファイルはできたところから音響学的分析を行った。分析には、海外共同研究者である南開大学(中国)の石鋒教授が開発した定量音響データ分析専用ソフトウエアを使用した。また、海外共同研究者であるオークランド大学(ニュージーランド)のサンダーズ博士のもとに研究発表及び共同研究のために上原が赴き、データの分析における話し合いを持ちまた助言も得ることができた。サンダーズ博士とは、来年度6月に予定されている国際中国語学研究集会への発表論文をまとめ発表要旨を学会に提出したほか、標準中国語における中台間の他の社会言語学的差異についても研究を進めた。 収集したデータは膨大な量になるため、まず北京出身者と台北出身者のそれぞれの数人分(の全音節分)を分析したわけであるが、その中で、台北出身者の録音に声調ライン(F0)と母音特質(F1及びF2)から、最近の変化とも思われる台北出身者に特有の特徴が認知された。それを検証するため、台北出身者の音声に集中し、さらに台北出身者の数人分の音声の音節分割、音響学的分析を進めた。この現象の分析結果は、研究成果報告書にまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)