2004 Fiscal Year Annual Research Report
サハリン先史文化における海洋適応の調査研究-貝塚遺跡のフィールドワークを中心に-
Project/Area Number |
15401024
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 潮 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40015897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宏 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (20015986)
辻 誠一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20137186)
内山 幸子 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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Keywords | 海洋適応 / オホーツク文化 / 鈴谷期 / ザパドナヤ10期 / カシュカレバグシュ遺跡 / アジョールスク遺跡 / チルコーワ遺跡 / ハザールスコエ遺跡 |
Research Abstract |
昨年度行ったサハリンにおける遺跡のフィールドワーク(試掘、表面採集)によって多量の資料を収集したが、今年度はこれらの記録化、分析、討議、整理等の作業を行い、成果報告書の出版の準備を行うことを目標とした。 このため、6月に国立サハリン大学考古学研究室ワシレフスキー教授、同フェドルチュク上級研究員と連絡を取り、サハリンにおける共同作業の日程について協議した。その結果、サハリン側では同島における石油天然ガスパイプライン建設に伴う遺跡調査が夏季から11月に及ぶため共同作業は12月以降を要望するとの返答を受けた。これに基づき次の日程によって計画を実施した。 1、自然環境斑(池田・辻)は12月下旬の3日間国立サハリン大学考古学研究室において北サハリン・カシュカレバグシュ遺跡、南サハリンブッセ湖周辺の古植物学に関する記録資料、遺跡周辺地形図等をフェドルチュク氏らと検討を行った。また、昨年度調査の遺跡採集資料の中から年代測定サンプルとなり得る炭化物試料を採取したほかザパドナヤ10遺跡の黒曜石産地同定試料を選んだ。これらは日本に持ち帰り分析中である。なお、池田の都合により目代邦康(筑波大学生命環境科学研究科準研究員)が代理渡航した。 2、考古学斑(前田・内山・木山)は平成17年2月1日〜6日の間に国立サハリン大学考古学研究室において北サハリン・カシュカレバグシュ遺跡、南サハリン・セドゥィフ遺跡、オホーツコエ遺跡、バザールスコエ遺跡、アジョールスコエ遺跡など昨年度のフィールドワークにおける収集資料の記録・整理作業のほか中部サハリン・ザパドナヤ10遺跡等貝塚資料の分析を行った。さらに今年度ロシア側で行った北サハリンの遺跡調査成果についての情報収集を行った。また、フェドルチュク氏らとこれらの資料の位置づけについての検討会を行った。 3、同氏と報告書の作成について打ち合わせ会議を行い、本年6月末を原稿完成目標とした基本的編集方針が確認された。
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