2003 Fiscal Year Annual Research Report
内蒙古草原地域の草地劣化と退耕還林政策に関する地理学的研究
Project/Area Number |
15401030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
小金澤 孝昭 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70153517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境田 清隆 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
西城 潔 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (00241513)
平吹 喜彦 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (50143045)
大月 義徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00272013)
関根 良平 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (90333781)
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Keywords | 砂漠化 / 中国内モンゴル / 退耕環林政策 / 草地劣化 / 家畜の過放牧 / 土地利用 / 黄砂 / 土壌劣化 |
Research Abstract |
内モンゴル自治区の草地。農地地域の土地利用の劣化状況について、内モンゴル自治区の北西部を事例にして調査を行った。(1)第1年度は、8月 ̄9月にかけて、フフホト特別市の武川地域と四子王旗の草地劣化の状況を把握するために各県・旗の土地管理局へのヒアリングと景観調査を行い、退耕還林政策の実施状況や基本的な資料の収集を行なった。(2)事例集落や事例地域での調査では、農業経営と土地利用では、武川県大豆舗村での個別ヒアリングを、土壌浸食に関する土地利用では、この集落周辺で発生しているガリーの測量調査等を行なった。(3)研究組織の確立では、内モンゴル師範大学の地理科学院の研究者と内モンゴル(8月)と日本(2月)で2回の研究集会を開催して、この地域の研究課題を検討した。(4)砂漠化や土地利用の劣化に関する研究動向を探るために7月にモンゴル・ウランバートルで開催荒れた国連砂漠化対処条約の砂漠化の情報(2)関する専門化会議に参加して情報収集を行なった。 以上の研究活動を踏まえて3つの研究成果をあげた。(1)武川県大豆舗村のヒアリング調査をもとに、農民達が退耕還林政策(土地利用規制)を受けて集約的な農業経営に移行し始め、あらたな環境負荷の問題を抱え始めていることを確認した。(この成果は、平成15年東北地理学会秋季大会で報告した。)(2)大豆舗集落のガリーなどの調査から、ガリーの拡大やシートウオッシュ(布状洪水)が発生していることが確認できた。とくにシートウオシュは、土地利用における作物選択と深く関係しており、農業とのありかたが問われている。(この成果は、平成16年2月の東北地理学会研究集会報告した)(3)事前調査期間も含めて、2年間の草地劣化の状況、退耕還林政策の概要、調査地域の基本的特徴に関する調査結果を、宮城教育大学の紀要に発表した。 基礎調査ならびに現地での研究協力体制が確立されたので、今後2年間では新たな調査地域の開発と土壌浸食と農業との関係の分析強化ならびに気象観察データや植生データの収集。解析を行なっていく。
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