2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15401038
|
Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
新谷 尚紀 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (80259986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 まゆみ 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (00311134)
比嘉 政夫 沖縄大学, 法経学部, 教授 (10045198)
三橋 健 国学院大学, 神道学部, 助教授 (30104748)
|
Keywords | ブルターニュ地方 / プロヴァンス地方 / Sainte-Anne-d'Auray / Sainte-Anne-de-la-palud / パルドン祭り / 聖人信仰 / Saint Eloi / Sainte-Anne |
Research Abstract |
今年度は3カ所の調査地を選定して調査を行った。第一に、昨年の予備調査にもとづき、ブルターニュ地方における最大の巡礼地、サンターヌドレー(Sainte-Anne-d'Auray)において、毎年7月25〜26日に行われる、聖女サンターヌをまつる大パルドン祭りの実地調査を行った。フランス各地より約20,000人の巡礼者が訪れる大規模な祭りで、シャペルでのミサ、屋外の祭壇におけるミサとサンターヌの聖像を担いで行われるプロセシオン(宗教行列)などについて、地元の参加者と遠方からの巡礼者からの聞き取り調査と写真撮影およびビデオ撮影を行った。また『サンターヌドレー大史』"Le grande histoire de Sainte-Anne-d'Auray"Patrick Huchet(1996)の翻訳を行うとともに、現地調査において、1623〜25年に農夫Yves Nicolazicが奇跡の体験をし、土中よりサンターヌの聖像を発見したという伝説の追跡調査を行った。第二に、フィニステール地方のサンターヌラパルー(Sainte-Anne-de-la-Palud)において7月31日(日)に行われた小パルドン祭りの実地調査を行った。ここではシャペルにおけるミサの後、シャペルより約50m離れた泉水までプロセシオンを行い、神父が小枝で聖なる泉水を人々にかける儀礼が特徴的である。さらに第三に、ブルターニュ半島の西部に位置するPlouarzalで6月最終日曜日(以前は24日)に行われるサンテロワ(Saint Eloi)のパルドン祭りについて調査を行った。馬へのベネディクションがそのパルドン祭りの最大の特徴であるが、それも神父によって泉水が用いられるのが特徴的である。昨年、プロヴァンス地方におけるサンテロワにちなむ馬かけ祭りの調査を集中的に行ったが、ブルターニュ地方の祭りにおいては儀礼に泉水への信仰的要素が強く見られる点が特徴であることがわかった。なお研究者各位によってこのほかにも個別の聖人に注目した情報資料の収集が進められた。
|
Research Products
(1 results)