2003 Fiscal Year Annual Research Report
世界木材貿易を通した循環型森林資源管理の温暖化防止効果への影響分析
Project/Area Number |
15402003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 教授 (30174832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 功 筑波大学, 社会工学系, 教授 (20282329)
加藤 隆 森林総合研究所, 四国支所, 支所長 (40353643)
小八重 祥一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (10038276)
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90243071)
吉本 敦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (10264350)
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Keywords | 木材貿易・森林資源モデル / 循環型資源管理 / 温暖化防止策 / 京都議定書 / 排出量削減枠 |
Research Abstract |
本研究は、輸入大国のわが国を中心とした木材貿易・森林資源モデルを構築し、温暖化防止のための炭素税の導入や補助政策並びにわが国における循環型森林資源管理が、如何に温暖化防止に貢献するかを計量的に分析・評価しようというものである。今年度は地球温暖化防止対策がどのように進められているか、1997年の京都会議以降の経緯について調査した。 京都議定書では、1990年に対し2012年までに温室効果ガスを5.2%削減することが合意され、削減目標を日本は6%、米国は7%、欧州は8%等とすることとなった。この目標達成のために、排出量削減枠の多い先進国と少ない先進国あるいは途上国間等で、その枠の取引を可能にした国際的な仕組みを提示している。しかしながら、各国の思惑が絡んで米国をはじめ、オーストラリア、カナダ等多くの国がまだこれを認めていない。 日本は6%削減を達成するためには、森林の吸収源を3.9%達成することが不可欠となっている。この吸収原の対象となるのは3条3項の3つの活動、新規植林、再植林、森林減少と第3条4項の持続的な森林経営である。その際伐採は排出とみなされるが、植林されて以降の吸収量と相殺されることとなっている。吸収量そのものの効果をさることながら、間伐、伐採された後のバイオマス的利用は再生可能な新エネルギー利用としてCO2節約分がカウントされ、化石燃料削減に繋がり得ることから、行政的な対応も促進されつつある。 また欧州等の先進国地域に属しても経済的には中進国といってよい国がある。この経済的には中進国といってよいスロバキア、トルコ、アゼルバイジャンを調査した。調査結果から、これらの国では京都議定書に批准することにより、木材産業等の振興にどのように繋がり自国にとって有益であるかどうかが懸念されていること、既にスロバキアでは日本企業と排出権取引が始まっていること、またトルコ、アゼルバイジャンは政策的には森林保護重視政策をとっていること、しかしながら、保護のみでなく植林しつつ森林資源をもっと有効に利用する木材産業活性化の方途もあるのではないかと思われること等が指摘される。
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[Publications] Shoji, I.: "Estimation of diffusion parameters by nonparametric drift function model"Intelligent Data Engineering and Automated Learning, Lecture Notes in Computer Science. 2690. 217-221 (2003)
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[Publications] Yukutake, K., Higuchi, Y., Yoshimoto, A.: "Time Series Analysis on Timber Prices from Two Private Auction Markets in Kyushu Japan"IUFRO : 4.02.02. - Multipurpose inventory. 1-34 (2004)