2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15403006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70242154)
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
市来 雅啓 海洋研究開発機構, 研究員 (80359182)
小山 崇夫 海洋研究開発機構, 研究員 (00359192)
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Keywords | スタグナント・スラブ / 電気伝導度 / マントル遷移層 / 中国東北部 / ロシア沿海州 / 地電位差 / 地磁気変化 / ネットワークMT |
Research Abstract |
本研究は,地震学的には確立した概念であるスタグナント・スラブを,電磁気学的に研究することを目的として3年計画で行われる.具体的には,中国東北部およびロシア沿海州においてネットワークMT観測を実施し,これらの地域のマントル遷移層に存在するスタグナントスラブの電気伝導度とその空間的広がりを明らかにする.その1年目である本年度には,以下の項目の研究を行った. (1)平成16年7月に,中国における調査を実施した(上嶋、小山).まず、北京の中国地震局地質研究所を訪問し、研究協力者である趙教授および湯助教授と昨年度の観測結果の総括と今後の共同観測の進め方について打ち合わせを行った.ひきつづき,遼寧省において電話回線を用いた電位差観測3基線の移設を行った。これらの観測は中国側によって来年まで継続する予定である。また,長春地磁気観測所の地磁気変動観測データの収集を行った.平成15年度において実施した遼寧省での観測データの送付を受け、データ解析を行った。成果を国際学術誌に公表した。 (2)平成16年9にウラジオストク太平洋研究所に赴き,研究協力者のニキフォロフ教授と研究打ち合わせを行った(歌田,市來).ロシア側研究者によって昨年度より実施されてきたウスリースク市周辺における電話線による地電位差観測データの解析を共同で実施した.さらに、ロシア側の独自に行っている沿海州の機動観測のデータの提供も受け,今後表層付近の地質効果の除去に役立てる予定である.次の問題点は,シベリア横断電話回線を用いた観測の実現であるが、ロシア側の説明によれば関係諸機関からの許可の取り付けがほぼ終わっていることが明らかになった。ただし、現地では間もなく地面が凍結するので、観測の開始は来春に持ち越すことになった。
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