2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15403006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70242154)
清水 久芳 東京大学, 地震研究所, 助手 (70302619)
小山 崇夫 東京大学, 地震研究所, 助手 (00359192)
市來 雅啓 海洋研究開発機構, 地殻内部研究変動センター, 研究員 (80359182)
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Keywords | スタグナント・スラブ / 電気伝導度 / マントル遷移層 / 中国東北部 / ロシア沿海州 / 地電位差 / 地磁気変化 / ネットワークMT |
Research Abstract |
本研究は,地震学的には確立した概念であるスタグナント・スラブを,電磁気学的に研究することを目的として3年計画で行われる.具体的には,中国東北部およびロシア沿海州においてネットワークMT観測を実施し,これらの地域のマントル遷移層に存在するスタグナントスラブの電気伝導度とその空間的広がりを明らかにする.その最終年度である本年度には,以下の項目の研究を行った. (1)平成17年5月にウラジオストク海洋研究所を訪問し、前年度に準備したウスリースク市周辺における地電位差観測を開始した(歌田)。10月には記録されたデータを回収した(市來)。ウスリースクにほぼ南北に30km間隔で敷設してある電話線ケーブルによる地電位差データが半年間取得された.この一観測点のMTレスポンスを求めて1次元電気伝導度構造を推定したところ,中国東北部の上部マントル200-400kmと同じかやや低いという結果を得た. (2)これまでに蓄積してきた吉林省3地点(Sanchahe, Changchun, ChangchunS),遼寧省4地点(Siping, Bamiencheng, Jinzhou, Chaoyang)のネットワークMT観測データのとりまとめを行い,マントル遷移層に至る深部構造の横方向の変化の検出につとめた.その精密な議論のためには,大局的な海陸分布や浅部構造が長周期応答関数に与える影響を見積もる必要がある.このため,吉林省,遼寧省において中国研究者によって実施されてきた従来のMT法探査結果が記載されている論文の収集を行った. (3)申請中の来年度以降の研究計画について、3年間の計画で明かになった問題点を考慮した観測研究計画を、ロシア側および中国側研究者と打ち合わせた。 (4)3年間の研究で得た結果をまとめて国際誌に投稿し、受理された。
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Research Products
(5 results)