2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄枯渇性石炭の品質改善による再資源化・ガス化技術に関する基礎研究
Project/Area Number |
15404004
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
王 青躍 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (30344956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲夫 北見工業大学, 工学部化学システム工学科, 助教授 (40091558)
関口 和彦 埼玉大学, 理工学研究科, 助手 (50312921)
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Keywords | 廃棄石炭 / バイオマス / バイオブリケット / クリーン燃料化 / 燃焼 / 熱分解 / ガス化 / 触媒効果 |
Research Abstract |
研究2年目(平成16年度)の研究では、中国北部寒冷地および西南温暖地における流体燃料利用技術の比較調査を実施し、ガス化ボイラー施設の視察、廃棄石炭の利用方策について担当機関と技術者との意見を行い、並びに中国モデル地域における廃棄石炭とバイオマスの種類・分布・成分に関する調査を行った。特にガス燃料利用技術の実態調査の回数を昨年より増やして実施し、それらを通じて様々な現地的社会ニーズを配慮したガス化装置の改良設計と製作ができた。本学で行っている基礎実験では、廃棄石炭からのバイオブリケット(廃棄性BBと略記)のガス化によるクリーン燃料化に関する研究知見が得られ、その結果、廃棄性BBの燃焼性・耐圧性などの性能評価、廃棄性BB(廃棄石炭:麦藁=75:25)は、原料石炭ブリケットと比べ、高燃焼反応性のバイオマス添加により、完全燃焼が促進することを明らかにした。それは、バイオマスが優先的に着火して試料内部にクラックが発生し、未反応の残った石炭とO_2との接触性向上(酸素有効拡散係数の増大)と、バイオマス燃焼灰中に濃縮された鉱物質による酸化促進の触媒作用、などの複合的効果によるものと判断された。加えて、中国モデル地域現地調査により、年間10〜60万トンバイオブリケット製造設備に対する廃棄石炭、バイオマス、石灰石は、十分に確保できるデータが得られた。一方、構築したガス化装置を用いて、廃棄性BBの熱分解・ガス化性能の評価に関する研究では、生成有効ガス組成の分析・評価、無機鉱物成分の触媒効果に関する解析検討を行った。その結果、BB化による熱分解・ガス化反応が大きく促進された。それは、廃棄石炭とバイオマスの混合効果、大きい比表面積を有するチャーの形成、バイオマス灰成分(Ca、K、Na)と硫黄固定剤として添加したCaによるガス化触媒効果などの複合的効果によるものと見られた。同時に、BB化により排出される硫黄分のうち約50%以上が灰中に固定され、ガス精製プロセスでの処理量大幅低減が可能であるといえた。さらに、カーボン転化率は70〜85%と高い値を示し、廃棄性BBのガス化により、H_2、CO、CO_2を主成分とする発熱量約2,200kcal/Nm^3のガス燃料を効率的に得る可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)