2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジアメガシティの大規模廃棄物処分場環境モニタリングシステム構築のための現地調査
Project/Area Number |
15404019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島岡 隆行 九州大学, 工学研究院, 教授 (80202109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 国云 九州大学, 工学研究院, 助手 (50322293)
崎田 省吾 九州大学, 工学研究院, 研究員
中山 裕文 九州大学, 工学研究院, 助手 (60325511)
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Keywords | 大規模廃棄物処分場 / アジアメガシティ / リモートセンシング |
Research Abstract |
近年、急速な成長を遂げつつあるアジア地域の都市では、人口増加やライフスタイルの変化等にともない、廃棄物発生量が年々増加している。特に、数百万の人口を抱える巨大都市(メガシティ)では、増え続ける廃棄物を衛生的に処理・処分するために、100haを超えるような広大な面積を有する廃棄物処分場が建設・整備されつつある。このような大規模処分場の管理するためには多大な労力やコストを要すことから、より効率的なモニタリング手法が求められている。ここで、広域をモニタリングする手法として、衛星リモートセンシングを利用することが考えられる。そこで本研究では、300haもの広大な埋立面積を有する中国上海市の老港廃棄物処分場をケーススタディとし、衛星リモートセンシングを用いた廃棄物処分場のモニタリング手法を提案した。 具体的には、異なる時点における衛星画像(ASTERおよびQuickbird)を用いて廃棄物処分場の被覆分類を行い、埋立進捗状況および植生変化の把握を試みた。さらに、現地(上海市老港廃棄物処分場)でフィールド調査を行い、埋立方式・進捗状況の把握、埋立廃棄物および覆土の分光反射スペクトルの測定、埋立地表層のガス組成の測定、埋立地の地表面温度の測定、植物活性度の調査等を行った。衛星画像解析の結果と、現地フィールド調査から得られたデータを解析した結果、(1)現地で実測した廃棄物、覆土、植生等の分光反射スペクトルを用い、衛星画像上で地表面被覆分類を行うことにより、埋立進捗状況の把握、埋立完了後の植生分布の把握が可能であること、(2)埋立地の地表面温度分布と、埋立地の被覆状況には関連性があること、(3)埋め立完了後の区画において、植物の活性度(衛星画像を用いて推計したNDVIの変化)と埋立地表層のガス組成(CO2,CH4等)との間に相関があること、等を明らかにした。
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[Publications] 大野博之, 小宮哲平, 中山裕文, 島岡隆行, 真鍋和俊, 八村智明: "廃棄物埋立地表層の広域的な環境地盤工学的特性モニタリング"第5回環境地盤工学シンポジウム発表論文集. 11-16 (2003)
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[Publications] 中山裕文, 小宮哲平, 島岡隆行, 小迫明徳, 田村正行: "廃棄物の反射スペクトルに基づく不法投棄検知手法に関する検討"廃棄物学会研究発表会講演論文集. 248-250 (2003)
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[Publications] 土田大輔, 高橋浩司, 宇都宮彬, 島岡隆行, 中山裕文, 小宮哲平: "安定型産業廃棄物最終処分場の熱赤外線画像装置による監視手法の検討"廃棄物学会研究発表会講演論文集. 1088-1090 (2003)
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[Publications] 石崎俊夫, 島岡隆行, 中山裕文, 小宮哲平, 真鍋和俊: "大規模廃棄物処分場及び周辺地域におけるNDVIと環境負荷との関連性に関する研究"平成15年度土木学会西部支部講演概要集. B556-B557 (2004)