2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規有用酵素を生産する欧州の大型海藻類分布調査と酵素の構造-機能特性調査研究
Project/Area Number |
15404025
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Research Institution | National Universiity Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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Keywords | Algae / Haloperoxidase / Corallina pilulifera / phosphatase / ブロモペルオキシダーゼ / バナジン酸 / 国際情報交換 / イギリス |
Research Abstract |
海藻は新しい遺伝子資源として非常に魅力的であるが、技術的な困難さから今まであまり生化学的研究は手掛けられてこなかった。そこで、本研究の一つの目的は、日本およびヨーロッパで採集される海藻から新規酵素を見出すことにある。さらに、すでに当研究室とイギリスエセクター大学との間で共同研究を行ってきている、海藻サンゴモ科Corallina pilulifera由来のブロモペルオキシダーゼ(BPO)の構造機能相関を解明することをもう一つの目的とした。 まず、目標の1つである、鳥取県沿岸およびイギリスの海岸において採集したヨーロッパ特有の海藻からの新規有用酵素の活性分布に関する調査に関しては、それぞれの海藻から調整した粗酵素溶液を用いて、各種化合物を基質にした酵素活性を測定した結果、特に高いホスファターゼ活性を示す海藻を見いだすことができた。このホスファターゼ活性測定にはp-ニトロフェニルホスフェートを基質として反応後遊離するp-ニトロフェノールを410nmの吸光度測定を行って活性を求めた。この海藻は現在同定中である。この海藻の粗酵素溶液をDEAE-セファロースカラムクロマトグラフィーにかけたところ、非吸着画分および1M NaCl溶出画分の両方にホスファターゼ活性が検出され、複数のホスファターゼの存在が示唆された。それぞれの酵素標品を用いて、ヌクレオチド、糖リン酸などのリン酸化合物に対する反応性を調べた結果、dATP、dUTPに対する活性に違いが認められた。現在これらの酵素の有用性について検討中である。 また、Corallina piluliferaのBPOの耐熱性および有機溶媒耐性の要因について検討を行った結果、X線構造解析から見つかったCaと本酵素の補欠分子族であるバナジン酸VO_4^<3+>存在がこれらの特異な性質の要因になっていることを突き止めた。
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